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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■                第11号 99.9.4-99.9.10
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。HP更新情報、マンガ製作日誌、人文系書籍の情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
岩手の民俗芸能/佐藤直樹さんのインタビュー/小脳論をめぐる掲示板での会話
/ワシもヒットで…/蕎麦を生きるのテーマ/池袋の事件/13歳論ふたたび

■99.9.4
前に予告してた岩手の話題、「民俗芸能について」を、ウェブマガジン31号に
ようやく書きました。すぐに書かないと、感動が薄れてしまうので早くしなきゃ
と思ってたんですけど、結果的には、ちょうどいい時間の経過だったかな…って
感じです。あんまりスゴイ、スゴイ、とわあわあ書いてもしょうがないですから
ねー(とは言っても、よーするにお国自慢ばなしなのです)。
ウェブマガジン31号
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas31.html

追記:今回の31号のタイトルは、一目瞭然ですが、中沢新一さんの本のタイト
ルのパロディです。ファンとかじゃないですけどね(笑)。このタイトル、いっ
ぺん使ってみたかったのです。タイトルと言えば、中沢さんが『哲学の東北』と
いう本を出したときは、「くやしい!使われた!」と思ったもんです。

■99.9.5
別冊宝島の『子どもは変わった!』という特集に、法学者の佐藤直樹さんのイン
タビューが載ってました(『のっぺりした「大人/子ども」時代が始まった!』
という記事)。これはかなりイイですよー。佐藤さんの本は主に『大人の<責任
>、子どもの<責任>』(青弓社)というのが、私はお世話になってます(注)
が、さらに踏み込んだ視点が語られているように思います。次はここらへんをま
とめた本を出されるんだろーなぁ…。

  注:伊丹堂での「責任」や「倫理」をめぐる発言など
  http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/gnc2.html

重要なポイントは二つあって、ひとつは佐藤さんは現在を「新たな中世」と捉え
ていて(この捉え方自体は他の人もよく言ってますが――例えばウェブマジンガ
6号のコメント参照)、佐藤さんが独特なのは、それを「文字中心的な文化」か
ら「音声中心的文化」への、「人類史的な変化」として捉えていること。これは
ある種、「民俗芸能」の話でも引用した小脳論の「文明から文化へ」ということ
とも、重なるんでしょうが(音声中心文化へのニュアンスが若干否定的、という
ところが異なる)、それはさておいて、そこではこれまでの「大人/子ども」と
いう分類が不可能になるのだ、という指摘がダイジですね。もうひとつは、ここ
のところ繰り返し取り上げている「公」をめぐる問題ともリンクすると思うんで
すけど、「世間」という問題。阿部謹也さんの「日本には世間はあっても社会は
ない」という説を引いて、佐藤さんは日本には社会という実態はなく、それと表
裏一体のものとして、人格や人権というものもないのだとしている。逆に言えば
そのようなものとしての「社会」を創り出さなくてはならないとしている(あく
まで西洋風にすればいいというのではない、と慎重に言ってますが)わけで、こ
こが注目すべき点です。というのは「社会」にせよ「公」にせよ、それが何かと
いう社会学的理解がダイジな段階はもう終わっていて、いかにしてそれを創り出
すか、ということが問題になっている、と感じるからだ。それにはまず「ない」
という見切りがダイジなのではないだろうか。

 新しい中世については
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas06.html#guide

そういう意味では、前に「公権力奪取」がダイジ、と書いたけど、そうじゃなく
て「公権力創造」と言うべきなのかも。だいたい神奈川県警の不祥事にしたって
彼らはまったく「公権力」などではなく、「世間的権力」でしかないことを自ら
明らかにしてしまっているわけだしね。

■99.9.6
手動掲示板(笑)「バーチャル伊丹堂」に、なんと『小脳論』の著者、ジャコウ
ネズミさんより投稿をいただきました。ありがとうございます! 小脳論がより
分かりやすくなると思いますので、皆様もぜひご覧下さい。参加(投稿)の方も
お待ちしてます。

■99.9.7
いよいよ「別ひ」で、大ひんしゅく企画「ワシもヒットで考えた」がスタート!
別冊・ひるますからお入り下さい。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/BETSU/betsu.html

追記:ちなみに「蕎麦を生きる」の「出雲そば」に、ちょっと私の「出雲そば」
に関する認識不足があるのを指摘していただきました(ありがとうございま〜す
)ので、これを改稿して「東池袋・一栄」にしました。これにともなって「池袋
でメシを食う」は、しばらく閉鎖いたします(ちょっと内容が古くなって実状と
あわなくなってしまったので…、というか、ありてーに言ってマズくなってしま
った店がそのまんま載ってるんです!)。…と、書いてたら(8日)、いきなり
池袋で「殺傷事件」が…。

■99.9.8
その「蕎麦を生きる」のテーマ曲ができました(単なる替え歌です)。ちなみに
ワシはこの「もと歌」(小椋桂の「挑みの足跡」)が大好きで(オヤジな…)、
カラオケに行くたびに探すのだが、なかなか入ってないのだ。

ひさびさにシトリンの写真をアップしました。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/CITO/citrin.html

■99.9.9
それにしても、池袋の事件はたいへんなことになった。私は実ハ、現場の目と鼻
の先で仕事してたので、「だいじょうぶだった?」とよく聞かれたが、ぜんぜん
気配も感じませんでした。でも考えてみると、朝からなぜか「ハンズ行って封筒
買わないとなぁ…」などと思ってたので、なんか他人事とは思えない。事件に巻
き込まれた皆様には、お悔やみを申し上げます。
さらに考えるのは、もし近くにその時行っていたとして、自分はちゃんと対応で
きただろうか、ということだ。街の人のインタビューなど聞いてても、何が起き
たのかわからなかった、というのが多い。それを責めることはできないだろう。
でも自分があの場で、もし何も出来なかったら、ものすごい後悔の念を持っただ
ろうとは思う。あの中で、たった四人の人たちが、追いかけ、取り押さえてくれ
たということ、「なんでたった四人なんだ?」と思うと同時に、そういう人がい
てくれた、ということに、救いを感じる。今朝のワイドショーで、この四人を居
酒屋に連れ込んで、インタビューしたシーンを放送してたけど、すごいイイ奴ら
なのだ。この夜ばかりは、ばんばんタダ酒を振る舞っていただきたい、と遅まき
ながら思った。

追記:続報では、犯人を捕まえたのは、その四人組の他にもう一人いて、その人
が先陣を切っていたようですね。本人の希望なのか、報道は控えめです…。

全然かんけいないけど、今日って例の99・9・9じゃん…(結局、衛星は落ち
てきませんでしたね…)。

■99.9.10
この前紹介した別冊宝島の『子どもは変わった!』だけど、よく見たら、このサ
イトではいつも紹介している小浜逸郎さんのインタビューも載ってたんですね。
やはりこのサイトで紹介した村瀬学さんの『13歳論』での13歳を一つの区切
りとして、子どもが「法」の世界へ入っていく仕組みをつくるという考え方に、
小浜さんも賛成のようです。
 『13歳論』については
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas25.html#0213

ちなみに佐藤直樹さんの「子ども/大人」という区分がなくなったという認識と
この「区切りをシステムとして作る」という考えはむしろリンクするものだとも
感じた。というのも、実態としては区分ができないからこそ、システムとしてそ
ういうものを作らねばならないからだ。

村瀬説ではこの区切りにおいて(法の世界に)入っていく際に、子どもに「性、
国籍、名前、親」を決める自由を与えよう、と言ってるんですが、こういう文脈
でこそ「自己決定権」という法的なコトバが意味を持つようにも思う(つまりか
つて僕は宮台氏の「自己決定権」というコトバに噛みついて、自己決定は「権利
」の問題ではなく、「努力」の問題、と言ったのだけど、こういう場面なら、ま
さにそれは法のコトバとして生きてくるだろう…)。
 宮台氏の自己決定権については
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas24.html#0126

追記:それにしても、佐藤さん、小浜さんの両方とも、インタビューをまとめて
らっしゃるのは、丸山貴未子さんというライター。やるなぁ(拍手)。
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■お知らせ
『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
は「心とは何か?」をテーマにした「思考する」マンガです。オムレットの詳し
い内容はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html

「バーチャル伊丹堂」は手動掲示板です。ぜひご参加ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/index.html

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