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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■                第12号 99.9.11-99.9.17
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。HP更新情報、マンガ製作日誌、人文系書籍の情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
ペータ/エランベルジェさんと森の文化/縄文と弥生/ニューロサイエンスとオ
ートポイエーシス/吉本隆明『私の戦争論』/稲川淳二/カッパ淵より/小室直
樹『資本主義原論』/蕎麦、広告など更新

■99.9.11
ペータのライブ行ってきましたよ。大満足でしたが、ここに書こうと思うと、ペ
ータの良さってのは、なかなか人に伝えにくいなぁ、と思う。似たものが見あた
らないせいかもしれないけど。バラバラに特徴あげれば、ギターが超上手くて、
声がすごい澄み切っていて、詞がイイ意味でのロマンにあふれている…という感
じですが、トータルなペータというのは、やっぱ聞いてもらわないと分からんだ
ろうなぁ。
ペータHP
http://www.peta.cx/index.htm

特にライブで、というのは、ギターが超上手いと一言でいえばそーなんだけど、
ほんとに現場で聞くと、これがそんなもんじゃないものスゴイことになってるの
だ。よーするに「ギター一本、オーケストラ」というか?CDで聞くと(こんど
のCDにはインストが2曲入ってる)「多重録音だろ」とか思っちゃうような和
音の深み、メロディとリズムの絡みが、一本のギターからあふれ出す様は圧巻だ。
CDを聴くときは、「これは多重ではない」ということを念頭に置いてお聴き下
さい。

というわけで、ペータのCD情報の方も正式にアップしましたので、ご覧下さい。
本当はサウンドファイルをつけておけばいいんだろうなぁ。こんどペータさんと
相談しときます。

追記:そういえば、ペータさんはこの前紹介した下村誠のアルバム『バウンド・
フォー・グローリー』にも参加していて、その解説で、下村さんがペータのこと
を「日本のブルース・コバーン」と書いてたけど、これで分かる人は分かるのか
な(私にはさっぱり分かりませんが…、無知なのです)。

■99.9.12
ジュンク堂書店が出してる小冊子『書標』に、中井久夫氏の「訳書を語る」とい
う文章が掲載されてました。例の『いろいろずきん』について書いてます。面白
いのは、ここで中井氏がこの本の「もうひとつの読み方」を書いてること。つま
り内容的には、この本は、子どもが成長していく過程で、他者を発見していく物
語で、そこに中井氏のいう「他人にも心があった!」というキャッチが出てくる
わけだった。でも今回のエッセイで、実ハこの物語は、原著者であるエランベル
ジェ氏の「自伝」とも読める、という見方を示しているのだ。

それだけなら、なんということもないんだけど、エランベルジェさんというのは、
中井氏が訳した最初の大著とも言うべき『無意識の発見』の著者。これは副題が
「力動精神医学発達史」となってるんだけど、力動精神医学って何だ?と言った
ら、これはもう催眠術から精神分析へと連続する「魔法使いの弟子」(ヘッドラ
イン9号参照)の系譜のことなんだよね(一般には精神分析のことでしょうけど
)。で、この『無意識の発見』を訳しながら、中井氏が「発見」したのが(本人
がいろんなとこで言ってます)、「力動精神科医は、森と平地の境界に出現する
」というテーゼなんだね。

で、その伝記的読みによると、エランベルジェさん自身もまた「南アフリカ」の
森で育ち、そこから連れ出されるカタチで、平地へと引き出されていき、結局は
ヨーロッパ、アメリカ、カナダと移住していった、まさに「力動精神科医」。そ
こで、中井氏は、彼の仕事というのは、「森=無意識の探求」だった、という。
ここで中井氏によって、単刀直入に「森=無意識」と書かれたのが、オレには、
まさにそれだ!という感じ。つまりその「無意識」とは、「精神分析」を話題に
しつつ、もはやフロイト的無意識ではなくて、むしろ、ここのところウェブマガ
ジンや、伊丹堂で話題にしている「小脳」的文化とか、縄文的文化ということと
結びつくものでしょう。この最後のところの中井氏の文章は、なかなか泣かせま
す。近くにジュンク堂がある方は、レジに置いてると思いますので、ぜひご覧あ
れ!

ウェブマガジン31号
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas31.html
バーチャル伊丹堂
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/index.html

縄文といえば、その伊丹堂でも紹介した『サイアス』という雑誌の縄文特集が面
白かった。なんでも「弥生人渡来はなかった!」というもので、定説をくつがえ
すものなんですが、別に縄文vs弥生という図式が存在しないという話ではなく
て、渡来人は来たけど、そんなに多くはなくて、ようするに彼らによって伝えら
れた弥生的文化が、当時の現地人(縄文人)の考え方や価値観を変えてしまい、
その結果、体質も「弥生的」に変わったのだというのね。つまり人は動かず、文
化が動いた、と。これって「と」なのかマトモなのか、シロウトの私には分かり
かねるが、考えが変わったからカラダが変わった、というのは面白い気もする。
というか、そういうのが入ってきたときに、バーッと変わっちゃうのがまさに日
本人的というか…、という意味で妙に説得力があるというか、ね。ま、いずれに
しても、我ら東北人は、「変わらなかった人」の末裔ではあるわけですね。

■99.9.13
リンク集にyoshida neuroscience lab.を追加しました。
http://member.nifty.ne.jp/myoshi/welcome.htm

神経科学者の卵こと吉田正俊さんのニューロサイエンス入門的HPです(ニュー
サイエンスじゃないですよ、笑)。サーチエンジンでたまたま見つけたんですが
ウチのウェブマガジンで『オムレット』に絡んで「内側からわかる」って話を何
回かしてますけど、吉田さんはこの「内側からわかる」を、「オートポイエーシ
ス」をキーワードにして語っています。とくに下條信輔さん、西垣通さん、茂木
健一郎さん(著書『脳とクオリア』など)などの諸説とオートポイエーシスとの
関係が、普通のコトバでうまくまとめられています。いろんな人がいろんな言い
方で言ってることが、これでかなり整理しやすくなると思いますので、こっち方
面(認知科学、認識論)に関心のある方は、ぜひご覧下さい。

ちなみに私のサイトでの、これに関連する部分は、

内側からわかる!
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas29.html#0527
下條信輔『<意識>とは何だろうか?』
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas27.html#0310
西垣通『こころの情報学』(ヘッドライン第1号)
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/HEAD/head1.html

…といったところでしょうか。

■99.9.14
吉本隆明さんの『私の戦争論』が出てますね。この前紹介した竹田青嗣さんの『
世界という背理』以来(というか、これ自体は古い本ですけど)、吉本氏に対す
る態度を急転回してますが(笑)、この本について言えば、まあ「小林よしのり
批判」はもういいやっていうのと、「個人がダイジでいい、個を越える共同性は
ない」という吉本さんの言い方に、たしかに「姿勢」「態度」としては、まった
く共感しつつ、「言説」としては大いに不満を感じる。吉本氏は、単に個人バラ
バラを目指すのではなく、それを基盤として「みんながそこそこに社会全体のこ
とを考える」ことがダイジだと一方では言うんだけど、それをつなぐコトバ(そ
れが「思想」だと思うんだけど)はそこにはないんだよね。といっても、これは
私自身、『オムレット』最終章ではまったく同じ論法を採っている(個人主義の
徹底から、余裕としての社会全体の配慮へというカタチでの論理)わけで、人に
不満を言うのはおかしいんだけど、自分としても、もうちょっとキチっと表現し
たいということです(よーするに、その都度の「語り」じゃないレベルで、とい
うか…)。このへんについては、「公」をめぐる議論として、このサイトでも、
それこそ中途半端に進行中なわけですね…。

注)この「ヘッドライン」でいえば、5号、6号、8号、11号など。

がらっと変わって、稲川淳二ですが(笑)、これについてはウェブマガジン31
号に。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas31.html

■99.9.15
朝起きたら、「ズームイン朝!」で、遠野のカッパ淵から中継してました。
なんでも岩手では、河童の顔は「赤」と決まっていて、河童を見たという人たち
(!)も、口をそろえて、河童の顔は赤かったと言ってるのであった。アナウン
サーが、猿みたいですねぇ…と言うと、「違う!猿でねぇ!」とおっしゃってま
した…。ちなみに以前紹介した「遠野物語」の語り手、佐々木喜善の『遠野のザ
シキワラシとオシラサマ』という本を図書館で見つけたのだが、これカバーが水
木しげるの河童のイラスト。だが、タイトルどおり「ザシキワラシとオシラサマ
」の話で、河童については載っていないのだった。それにしても「オシラサマ」
の話などは、『遠野物語』とは、かなり違う。これについてはまた後日(ちょー
ど、ウェブマガジンが岩手特集的おもむきになってるので、そっちに書くかも)。

佐々木喜善については、ちらっとこちらに
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas26.html#0224

■99.9.16
もうイッコ、図書館で借りた本では、小室直樹さんの『資本主義原論』が面白か
った。これはいったん走り書きとしてアップしたんですけど、超長くなってしま
ったので、あらためて書き直してウェブマガジンの方に後日アップします。

■99.9.17
別ひの「蕎麦を生きる」に、さかいさんからの投稿をアップしました。う〜ん、
田舎蕎麦、はやく食べた〜い。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/BETSU/betsu1.html

同じく「別ひ」の「広告解体屋」にサルのCMを追加。田舎モノをバカにしては
いけないのだ(笑)。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/BETSU/betsu3.html

ウェブマガジンの郷土芸能の記事に、岩手の民俗芸能についてのリンク集を追加
しました。もっとあると思いますので、知ってる方はお知らせ下さい。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas31.html#0903

それにしても、インフォナビで「鹿踊り」を検索すると、なんと五番目にウチの
ウェブマガジンが出てきます。インフォナビ最高!(笑)
http://infonavi.infoweb.ne.jp/
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■お知らせ
『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
は「心とは何か?」をテーマにした「思考する」マンガです。オムレットの詳し
い内容はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html

「バーチャル伊丹堂」は手動掲示板です。ぜひご参加ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/index.html

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 発行者:堀込広明  (C) HIRUMAS 1999
 ご意見・ご感想等:info@hirumas.com
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 配信:Pubzine http://www.pubzine.com/
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