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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■               第18号 99.10.30-99.11.6
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。HP更新情報、マンガ製作日誌、人文系書籍の情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
山岸涼子続報/商工ローンとオウム/『ブレインスナッチャー』とエヴア/『日
本社会で生きるということ』/アイタル通信をリニューアル/やくみつるも最高
/介護保険と社会主義「自民党」/神奈川県警と公権力/「県」という世間

■99.10.30
ひきつづき山岸涼子が気になって、近所の古本屋に買いにいったのだ。『夜叉御
前』『月読』(いずれも文春文庫ビジュアル版)の2冊です。これもスゴイんで
すけど、やはりインパクトは前に紹介した3冊の方があったなぁ。…それにして
もマンガといえばイヤでも思い出しちゃいますが(笑)、前から予告してる自分
の作品の制作がまったく途絶してしまってます。情けない。

■99.10.31
というわけで、マンガをすすめようと思ったのだが、振り返ってみればTVばっ
かり見てダラダラすごしてしまった。なんつっても、サンデープロジェクトの日
栄社長でしょ。口から泡ふいてましたけど。それにしてもいつもながらマスコミ
ってのは歯切れが悪い。何が「悪い」のかをハッキリ打ち出せてないかんじ。全
体としての印象を「わるいもの」として植え付けようというイメージ操作的な手
法にいまだに頼ってるというか。典型的なのは読売の朝刊社会面の見出しで「新
婚旅行いくなら金返せ」ってのが「脅迫」のコトバとしてデカデカ出てたんだけ
ど、これってフツーじゃん。オレだって旅行もガマンして金返してんだからなー
(笑)。住専のときは、借りた金を返さない奴がいるということが「悪い」とク
ローズアップしてたのを忘れたんだろうか。別に商工ローンの味方するわけじゃ
ないけど(はっきり言ってオレは「直接に限りなく近い間接的に」被害にあって
ます!)、批判するならもっとキチンとしたものが必要なんじゃないの?ってこ
とです。

これは最近のオウムがらみも同じ。例の狂言事件にしても、マスコミのありよう
(実ハ公安のありようか?)が、そのまま反映されたものにすぎないって感じ。
ようするに「オウムはコワイ、エタイが知れない」というカタチでしか、批判で
きてないからああいうことになる。つまりイメージを根拠にした「世間からの排
除」という論理でしかない。そーじゃなくて、カンジンなのは「彼らは責任をと
ってない」ということであって、そうである以上、社会という共通のルールの中
に再加入させることはできないってことでしょう。オウム自体がその共同体の内
部でなに考えてるのか、なんて関係ないんですよ。極端にいえば、社会的責任を
とるなら、「思想として」人を殺してもいいという教義をいだきつづけることは
なんら問題ではないと言ってもいいわけです(よーするにそんな「思想」は寝言
だ、ということです)。

話がそれたが、TVの話でした。夜はまたテレ朝だけど『ブレインスナッチャー
』という映画をみたのだ。ドナルド・サザーランド主演とあったのでてっきり『
ボディスナッチャーズ』(人面犬が出てくるやつ、…古いねぇ)かと思ってたの
だけど、ぜんぜん違う、最近の映画だった。これ、けっこう面白かったのです。
というかストーリーがあまりに「エヴァ」なのでびっくり。エイリアンに対抗す
る組織の長とその部下が「親子」で、葛藤をかかえていて、その葛藤とエイリア
ンとの戦いのストーリーが密接にからんでくる、という点と、もう一つはエイリ
アンによって「意識の融合」がなされ、全員が「ひとつの個体」になる、という
あまりに「人類補完計画」的なネタが出てくる点だ。いずれのポイントも「エヴ
ァよりうまく出来てる」と思っちゃいました(笑)。とくにその2点がぴたりと
ジグソーパズルのチップみたいにハマって終わりになるラストシーンはうまい。
さすがアメリカ映画です。

追記:…と書いてから思い出したけど、この映画って原作がハインライン(『人
形使い』)なんですね。とすれば、父と子の葛藤がテーマで、しかもプロットが
うまいってのは、極めて当たり前って感じではありますねー。

■99.11.1
またまた図書館で借りた本ですが、阿部謹也さんの『日本社会で生きるというこ
と』(朝日新聞社)が面白い。これについてはウェブマガジン32号に書いてお
きました。はじめは走り書きに載せようと思ってたんですが、そんなに長くはな
いものの、ちょっとこみ入ったハナシかとも思ったので移動した次第。ここでた
びたび「世間がどーの」というハナシをしてますが、それとの関連をちょっとま
とめてあります。
ウェブマガジン32号
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas32.html#1101

■99.11.2
「アイタル通信」をリニューアルしました。といっても、最近、アート展関係の
情報を「以前の走り書き」コーナーに掲載してましたが、これを「アイタル…」
に統合したというわけです。これまでの「アイタル…」は、アイタルミーティン
グの吉田ケンゴさんの情報が中心になってましたが、これからは「手作りの」「
自然な」というキーワードで、アートやイベントの情報を広〜く募り、その都度
掲載していきたいと思ってます。というわけで、アイタルな企画がある方、みん
なに来て欲しいと思ってる方、情報をご存じの方、ぜひタレ込み、どしどしお願
いします。
「アイタル通信」アドレスも変わっているのでご注意下さい。
http://page.freett.com/nattyrec/ITAL/index.html

■99.11.3
急激に忙しくなってしまったため、この3日から更新がとまってしまいました。
この日も休日というのに仕事場にかり出されてましたが、時間的にはゆっくりと
出ていけばいいので、朝テレビを見てたら、「花マル」(TBS)に「やくみつ
る」さんが出てました。これはその日のゲストにインスタントカメラを渡して、
身の回りのものを撮ってもってきてもらう、というコーナーなんだけど、ホント
やくさんって、い〜人だよね〜。日々の日常を、いろんなアイデアで面白がって
るって感じです。この時紹介されたのは、旅館で出てくる舟盛りの器(舟のカタ
チのやつね)を道具屋で仕入れてきて、パーティグッズにして盛り上がる(安い
刺身でも豪勢に見える)というものなどでした。人間これくらいのゆとりでもっ
て生きたいよなぁ…しかも、やくさんの「忙しさ」といったら、今のオレのいそ
がしさの少なくとも数十倍でしょう。う〜ん、忙しい、なんて言ってられない。

ちなみに、やくさんを初めて意識したのは、淀川長治さんが亡くなったときに、
やくさんが、一番尊敬する人物は淀長だったという話を、「花やしき」(フジ)
でしてたのを聞いてからだから、結構さいきんのこと(つまり、やくファンとし
ては初心者)である。このとき、やくさんは恒例のひとこまマンガで、淀長を天
使の姿で描き、天国でやはり天使になった黒澤と会うというシーンを描いてまし
た。天国で黒澤は自分のもってる国民栄誉賞の賞状をべりっと二つに裂いて、半
分やるよ、と淀長に渡すのだった。う〜ん、泣けるぜ。このときワシも昔の走り
書き「航海日誌」に、淀長は天使である、と書いてたので、「やくさんは分かっ
てるなぁ〜」と感激もひとしおだった。さらに蛇足ながら、『オムレット』のあ
る箇所に、やくさんが登場してるんだけど、気がつきました?

■99.11.4-6
今週は、商工ローンから、またもや神奈川県警、さらには介護保険をめぐるドタ
バタ、とめまぐるしいですねー。介護保険のドタバタは、それ自体の現象として
はバカげたものだけど、その現象をめぐる今回のマスコミをふくめた社会の側の
対応はいままでと違っていて、面白い。よーするに自自公のバラまき政治に対し
て、国民の側はNoだというのがはっきりとして、政府・与党が浮き上がっちゃ
ったって感じでしょう。国のかかえる赤字が、この人たちにまかしてたら止めど
なく増えていってしまう、という危機感を現実的な背景としていることは確かだ
けど、国がなにかしてくれる(打ち出の小槌みたいにどーにかしてくれる)とい
うのではなくて、自分たちが「国」というシステムを創り出して行かなくてはな
らないのだ、という「意識」が、だんだんと身にしみてきている、その現れでも
あるように感じる(楽観的ですね〜)。

典型的なのが、コトの張本人、亀井氏のいう地域格差が出てしまうから、この制
度を考え直すべきという論理。地域格差を解消するために、なんの役にもたたな
い施設をつくりまくった土建ばらまき政治をそのまんま繰り返そうってだけの話
じゃーないですか。栗慎の『自民党の研究』(光文社新書)に「自民党は社会主
義政党である」という(今となっては当たり前すぎる)定義が書いてあったけど
まさにそれ。それをずっとやってきたから、ホントの意味での地方自治(地方の
自立)ができなかったし、ひいては日本の地方というものがどこも一緒のつまん
ないものになってしまったんじゃないの。介護保険に関して言えば、この格差を
単に甘受するんじゃなくて、小さい自治体が共同してプロジェクトを立ちあげる
などの動向も報道されていた。つまり自治体側も「自立」の意識というものをよ
うやくにして持ち始めてきているわけだ。自民党は(それでは自分たちの存在理
由−予算を地元にぶんどってくる−がなくなるから?)そういう萌芽をつぶしち
ゃおうってことだろうか。

自治体の自立っていっても、カンジンなことは、自治体が「国」の出先機関、よ
り明確にいえば「中央官僚の雇われ人」ではなくて、住民・市民の「雇われ人」
であり、代行者だという自覚のもとで行動できるかどうかってことでしょう。今
回の神奈川県警の問題でも、彼らが「威厳を守るため」事件を隠したと言ってる
んだけど、まさにその考えがダメなんだよ。上からの「威厳」によって、住民・
市民を「監視・管理」しているのだ、という発想がなければ、こんな発言がでて
くるわけがないからだ。そうじゃなくて、キミたちは住民・市民の「主権」とし
の「公権力」を代行しているにすぎないのだから、不祥事によって「威厳」がそ
こなわれるハズもない。本来の意味での「威厳」(権力の根元としての主権)は
住民・市民の側にあるのであって、警察官の不祥事によってそれが揺らぐはずが
ない、というだ(つまり「威厳」とは何の関係もないってこと)。「威厳」を守
るというなら、そういう不祥事を出したことの責任を引き受けて、きちんと主権
者に謝罪すべきってだけのことでしょう。

それにしても、なんで神奈川県警だけが?ってのは気になるよね。どのマスコミ
でも、この話がどっから流れてきたのか?ってことをハッキリ言わないでしょ。
つまり神奈川県警の問題が明らかになったのは、ある意味で「ぐーぜん」の出来
事だってことだよね。こういうふうに物事が明らかになるのは、結果論的には結
構なことだけど、問題はコレがけっして「システム」的に明らかにされたもので
はないってことでしょう。つまり他の県警だってやってんじゃないの?ってこと
です。これはこの前書いた「監視する権力」の必要性の問題で、ここをシステム
的にきちんとしておかないと、何の問題解決にもならないでしょう。

もう一つ、ついでに蛇足的に、というかフェイクな理屈を言っとくと、ワシ的に
は「県」ってものが諸悪の根元、はっきり言って、いらないんじゃないか?と思
ってます。中途半端にでかくて、県民に対する自治体(政府)としての意識が希
薄で、そのくせ「県民性」というカタチでの妙な一体感、共同性というものを濃
厚に持っている。今回のように権力が「世間化」する温床がここらへんにもある
(もちろん、根本的には「公」という思想がないことからくるわけだが)。さい
きん、地方についての話題を書くことが多いけどワシが地方に帰ったときに感じ
るのがまさに「県」の無意味さ。とくにウチは県庁所在地ではない小都市なので
そう感じるのだけど、子どもの頃ってなんでもかでも、県庁所在地を経由した情
報で、大きい施設なんかも県庁所在地にいかなきゃないってのが、当然だと思っ
てたけど、この情報化時代ではもうそういうことってないんだよね。CATV、
インターネットで情報は直接、発信源とつながるし、道路整備で、遠くの県庁所
在地より、近い隣県の大都市、行楽地との関係の方がどんどん深まっている。逆
にどんどん県庁は遠くなり、ほとんど暮らしの中での意味も興味もなくなってる
のだ。

生活実感としてそうなのだけど、おそらく行政レベルでも「県」としてやること
ってほとんど中途半端になってるのではないだろうか。大規模なプロジェクトは
東北なら「東北州」とでもいう単位で考えた方が、より広い視野で行えるし、な
により「公平な」観点で企画することができるだろう。ウチのとこだけよければ
いいという「ぶんどり」の体質を解消すればいいことだが、そのためには現にあ
る自治体を強化するだけではダメで、その自治体をできるだけ「世間化」しない
ようものにしておく必要があるのだ。つまり自治体を「州」レベルにした方が、
より「政府」としての自覚・責任を持つ「主体」となりうるだろうということだ
し、一方では、生活に密接した領域では、「県」という枠組みから自由になった
「市」レベルの自治体がより適切な「主体」になりうるだろう。そして住民にと
って何が重要かという課題に応じて、その都度、隣接した地域の自治体と連携し
ていけばいいのだ。先の介護保険のところでふれた、小さい自治体が集まってプ
ロジェクトを行うという動きはそういう大きな改革につながるものでもある、と
評価してるわけです。

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■お知らせ
『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
は「心とは何か?」をテーマにした「思考する」マンガです。オムレットの詳し
い内容はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html

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