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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■               第20号 99.11.15-99.11.21
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。HP更新情報、マンガ製作日誌、人文系書籍の情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
ミイラ事件/下村誠アルバム評/養老孟司「生命38億年スペシャル」/小浜論
争再録/小室直樹『悪の民主主義』/赤坂憲雄『山の精神史』/科学は倫理的/
アツオさんの議会論

■99.11.15
ミイラ事件でしょう、やっぱり。
私事だが、けっこう髪が伸びてきたので、そろそろまたポニーテールにしようカ
チラ、などと思ってたところにコレだ。なんなんだあのポニーな男達は! これ
でポニーテールはやめにした。でもこの忙しい中、床屋行くのもメンドクサイ(
金もないし…)。まったく余計なコトしてくれるゼ。

追記:というわけで、ミイラ事件についてつらつらと書いたのですが、どーもコ
トバ足らずなので修正してウェブマガジンの方にアップしてます。まー、あの「
グル」見た後じゃー、あまりインパクトないハナシですけどね。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas32.html#1117

■99.11.16
下村誠HPのナッティニュースにニューアルバム『SACRED SOUL』評
を掲載しました(中原明彦氏)。ご覧下さい。
http://page.freett.com/nattyrec/index.html
下村のナチュラルというか、アイタルというか、アナログというか、息づかいと
いうか、そういう面をフィーチャーした評です。たしかにそういう面に彼の音楽
の重心があるのは確かなんだけど、ワタシ個人的には、あんまりそういうことば
かり言うのはどうかという気もする。別にデジタルでシミュレーション的でもい
いじゃんっていうか。そういうことじゃなくって、下村誠の凄さって、ホント、
今回のアルバムで、それこそハッキリすると思うけど、「詞が、圧倒的なまでの
『意味』に貫かれている」ということなんじゃないの? あるいは、ほとんど誰
も語ったことのないような「ビジョン」を語ってる、というか。…まぁ、それく
らい今回のアルバムは多くの人に聴いて欲しいんですね。私自身、まだほんの一
部分しか聞いてないのにこう言うのもなんなんですが、その「ほんの一部」が衝
撃的にもすごかったので、あえて言わしてもらう次第。

追記:ちなみに下村さんのライブフライヤーを手伝ってる関係で、このアルバム
の中で「ハイロウズ」の甲本ヒロトさん、真島昌利さんが参加している2曲のラ
フミックスを聞かせてもらいました。メチャクチャかっこいいですよ、これ。

■99.11.17
きのうの16日に読売新聞主催の恒例の「ノーベル賞フォーラム」があって、大
江健三郎氏、利根川進氏の基調講演と、養老孟司さんを司会に迎えた討論が行わ
れたそうです。参加した方からのまた聞きでは、かなり面白い内容だったとか。
内容の紹介は追って読売紙上に掲載されるようですので、興味のある方は読売新
聞社にお問い合わせを。

その養老さん(ウェブマガジンの「ミイラ」では変なとこで引き合いにだしちゃ
いまして、失礼しました)、来週27日のTBS「生命38億年スペシャル・人
間とは何だ?2」に出演する(監修&解説)ようです。前回の「遺伝子」に続き
「脳」を特集するのだそーだ。これも読売のTV関係記事に書いてたんだけど(
16日夕刊)、「脳」の特集といっても、神経の仕組みとか脳内物質とかばっか
じゃなくて、(社会的)「関係性」に注目するのだそーだ。で、プロデューサー
の言が、現代社会では様々な関係性が薄れつつあり「我慢を強いられたり、相手
の心を読んだりする機会が減り、抑制や感情をコントロールするという脳の中の
前頭葉がうまく訓練されていない。これが若者が『キレる』などの原因になって
いるのでは」…とのこと。前頭葉派ですねー。
参考)ヘッドライン9号
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/HEAD/head9.html

■99.11.18
ヘッドライン19号で、小浜逸郎さんの『弱者とは誰か』についての論争に関し
て、于論茶さんの掲示板を紹介しましたが、すでにその発言は読めなくなってま
したので、あらためて于論茶さんが発言を再録してくださってました。ありがと
うございます!
http://www.uroncha.com/

またあわせてこの議論が行われた社会学者Bonさんの掲示板(過去ログ)への
リンクも書き込まれてます。こちらもご覧下さい(コアですぞ〜)。
「bonのお気軽社会学のページ」
http://www.jttk.zaq.ne.jp/bon/

ダカーポ(12/1号)に「京極特集」が載ってました。『姑獲鳥』が最初はマ
ンガだったというハナシが面白い。マンガではこのトリックが描けないと分かっ
て3ページでやめたんだとか。う〜ん、身につまされる(3ページくらいで見切
りをつけてれば、ドロ沼に陥らずにすんだのに…ってことがあまりに多すぎるの
だ…全然レベルが違うハナシですけど)。

追記:ちなみにこの特集は京極の新刊『百器徒然袋─雨』(講談社ノベルズ)の
発売にあわせたもの。ワシも榎木津ファンなので、たぶん買って読むでしょう。
ダ・カーポって久々に読んだんだけど、なんと鈴木光司さんの「天才のDNA」
という対談シリーズが載ってました。やはり「遺伝子派」(笑)。

■99.11.19
小室直樹さんの『悪の民主主義〜民主主義原論』を読んだので、ウェブマガジン
32号に書いてます。上の追記にも書きましたが、ミイラとあわせて、今週は一
気に2本アップということになる。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas32.html

追記:ちなみに『悪の民主主義』についての中で、またぞろ西垣通さんを引き合
いに出してます。それにしても、ミイラについても、小室さんの本についても、
いずれも「フィクションはダイジだ」って話で共通してます。これもまたシンク
ロですかー。

それにしても今週は、いままでの忙しさが一時的に解けたため、もうメチャクチ
ャ「ハイ」です。実際は忙しさが終わったわけではないんですが、ちょっとひと
仕事は終わったので、と気を許したのが運の尽きで、ついに「バイオ3」に手を
出してしまったのです。バシバシとゾンビを撃ち殺しながら、ミイラについて考
える、生ける屍の夜よなか。一方、これはちょっと仕事ともからむし、いずれ描
かれるだろう「オムレット2」(社会学が中心)のためのネタ仕込みってことも
あって、小室さんの民主主義原論にはけっこうハマってました。が、しかしその
一方では、仕事場への行き来途中では、この前紹介した赤坂憲雄さんの旧著、『
山の精神史―柳田国男の発生』(小学館ライブラリー)がメチャクチャ面白く、
息をもつかせぬ通勤タイムを過ごさしてもいました。

いつぞやの走り書きで柳田国男について書くぞーと言ってましたが(ヘッドライ
ン13号)、なんかこの本で、一気に「柳田国男」観が変わっちゃったって感じ
です(まだ途中までしか読んでないけど)。これまでは岩手の人、佐々木喜善へ
の肩入れ(明石散人による教唆)からして、柳田否定論者でした。その後、内田
隆三さんの『柳田国男と事件の記録』(講談社選書メチエ)を読んで、やっぱり
柳田国男はダメじゃん、とか思ってたんですが、う〜ん、これは非常に考えさせ
られます。って感じですが、詳細につきましては、しばし待たれよ!
参考)ヘッドライン13号
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/HEAD/head13.html

 蛇足:ちなみにウェブマガジン32号のタイトル「コトの次第と事件の記録」
 は、この内田さんの本『柳田国男と事件の記録』のモジリ。32号は柳田論中
 心でいこうと思ってたのです(ぜんぜんそーなってませんが…)。もちろん「
 コトの次第」は、ヴィム・ベンダースの映画『事の次第』ね。

■99.11.20
ミイラについての話で、「科学主義は非倫理的」と書いて、その前に「科学」は
「アートであり、生き方だ」と書いたのだけど、これはよーするに「科学主義は
非倫理的」だけど、「科学は倫理的だ」ということです。これは「科学は社会的
に歯止めをかけないと暴走する危険がある」という一般的な理解にして事実問題
と、180度食い違うわけだけど、私とてそれを否定するわけではないけれど、
ここで問題にしているのは、科学の「創造」における内的な論理としての「倫理
」のこと。それを、ここでもよく引き合いに出す斎藤環さんは「創造の核」とし
ての「倫理」と言ってます。これは「「運動」の倫理」という宮崎アニメについ
ての論考の中で書かれているのですが(『文脈病』所収)、これが私の言う「コ
トの創造」という用語の元ネタだということはこれまでも何度か書いてました。
というわけで、これを機にその部分の引用を「伊丹堂の倫理をめぐる話」に注と
して追加しましたので、興味のある方はご覧下さい。「科学主義は非倫理的」と
いうことの方は説明の要もないだろうけど、ようするにそこには「創造」のカケ
ラもなく、反復があるだけ、ということですね。この伊丹堂のところで「世間は
非倫理的」と言っているのと同義です。
参考)伊丹堂の倫理をめぐる話
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/gnc2.html#00011

■99.11.21
アツオさん(中村敦夫)の本『この国の八百長を見つけたり』(光文社)、まだ
チラっとしか読んでませんが、面白いですねー。日本が社会主義国家であり、政
治家は斡旋業者であるということは、私なんかは「定説」にしてますが(笑)、
まだまだ世の中には身にしみてない人も多いので、こういう本がバンバン出てい
くのはいいことでしょう。でも孤軍奮闘、一人で何ができるんだよ?と冷めた目
でも読んでたんですが、しかし彼のスジは通ってます。それは「多数決」という
ものが絶対のものではない、というところ。多数決は最後の最後にやるものであ
って、それまで議会でやることは、議論を通じた説得ということ。そうでなけれ
ば選挙が終わって勢力分布が確定した議会で議論する必要というものがそもそも
ない。これは先日ウェブマガジンの方で紹介した小室さんの『悪の民主主義』に
おける議会論とも一致する。小室さんの言では「議会制は民主主義と縁もゆかり
もない」のだが、それがある範疇変換を遂げて、民主主義が機能するために不可
欠のものになった。その鍵が「自由な討論」だというのですねー。これはオレ的
にいえば、議会は「脱―世間化した場」であらねばならないということになる。
なぜならば「自由な討論」が本当の意味で機能するためには、議会に参加してい
る人々が政党という「世間」によって考えを決めるのではなく、討論による説得
によって個人個人が考え、自分の考えを自分で変えていくという可能性が保証さ
れていなくてはならないからだ。

追記:ずーっと前にオレは「もう政治家も政党無しで個人でいいんじゃないか」
と書いたことがある(航海日誌96.8.28)。
もちろん政党がまったくなくなればいいということを今でも考えてるわけじゃな
いけど、アツオさんのやり方ってのが、これからの一つのカタチになっていけば
いいんじゃないかとも思う。
参考)すごーく古い航海日誌
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/navi1996.html#0828

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■お知らせ
『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
は「心とは何か?」をテーマにした「思考する」マンガです。オムレットの詳し
い内容はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html

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