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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■               第26号 00.1.8-00.1.14
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。HP更新情報、マンガ製作日誌、人文系書籍の情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
ロングウオークのコース変更・ベネフィットコンサートのお知らせ/成人の日に
オムレット/張形/蕎麦の快楽/ゴジラ2000/『アレント』その他

■00.1.9
例のロングウオークですが、最終日のコースが下記の通り変更になりました。

1/22(土)
  9:00宮下公園(渋谷駅線路沿いに原宿方向に戻ったところにあります)
  〜12:00アメリカ大使館。付近の公園で解散.。
  夕方6:00〜9:00恵比須<縄>レストランにてベネフィットコンサート
  と報告&壮行会ギャザリング
くわしくはビックマウンテンHPをごらんください。
 http://bigmountain.hypermart.net/index.html

■00.1.10
成人の日だ。ちょっと用事があって、池袋に出たのだが、途中の練馬駅で、豊島
園からくる電車に大量の晴れ着軍団が乗ってきたのにハチ合わせしてしまった。
なんで豊島園からくるんだろう…と思ったら、練馬区では成人の記念に豊島園の
乗り物券を配ってるんだそーだ。オレが言うまでもないだろうが、どーいう神経
してんのか?ってことだよなぁ。どーせなら『オムレット』でも配って、成人に
なった記念に人間とは何か?とか考えてみてもいーんじゃないかと思うのはオレ
だけだろーが、実ハ、そもそも成人する人に向けてという思いを込めて、主人公
のアヤコのトシを二十歳に設定してあるのでした(考えてみりゃ、発行日も去年
の1月15日、成人の日だったのでした…)。
てことで、一首。

 オムレット 一冊こうて 成人の 門出に思ふ 人と世の明日
                           ひるます

まぁ、並の出来ですか、っていうかこれじゃモロ宣伝用コピーだ(笑)。

蛇足ながら解説すると、「〜一冊こうて」というのは、南方熊楠の「顕微鏡ひと
つ買うて」という名文句?に対応してます。「こうてね(買ってね)」という意
味ではありません(笑)。顕微鏡一つ手に入れただけで、粘菌研究の深〜い世界
が広がっていく。顕微鏡はただのモノだけど、それに自分がかかわることによっ
て世界が広がっていく、そういう意味でのマジカルなツールが顕微鏡なんだって
意味ですね。今で言えば、インターネットにつながったパソコンがそれだったと
いう人もいるでしょう。私としては『オムレット』が、これから出会うたくさん
の知の世界への入り口、とっかかりになってくれれば、と思う次第。

話は変わるけど、さいきん頭の中が短歌というか、狂歌づいてます。みなさまも
何か思いつきましたら、掲示板の方に書き込んでみてください。オレが詠んだ歌
への返歌っていうか、連歌っていうかの感じでつなげてみても面白いかと思いま
す。基本的にはあまりマジじゃないものってことで、是非。

追記:ちなみに個人的につくった年賀状にも「初春」の歌を載せてみました。こ
れは「ウェブ用イラスト」のコーナーに掲載しましたが、ホンモノのカードが欲
しい方(いつも言うのだけど、そんな人いるのか?)は、広英社気付で「ひるま
す」宛に年賀状または寒中見舞いをお送りください。ご返事として私の年賀状を
お送りいたします。
 ウェブ用イラスト
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi13.html
 広英社住所は下記のとおり
 〒170-0013 東京都豊島区東池袋 1-31-10-406

■00.1.11
先日お知らせしたロングウオークのベネフィットコンサート(22日)ですが、
下村誠さんも出演します。ぜひおいでください。
下村HPにも情報掲載してます。
http://www.php.co.jp/book/review/ISBN4-10-114914-3.html

さらに追記:ひさびさに「江戸」を意識した今日このごろでしたが、またまたシ
ンクロってわけでもないでしょうが、小谷野敦さんの新刊『江戸幻想批判』(新
曜社)ってのも出てました。ずーっと以前に話題にしたこともある小谷野さん一
流の「江戸」批判の総決算って感じですか?
参考)八犬伝をめぐる随想
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas30.html#0707

■00.1.13
ちょっと前にチケットもらったので『ゴジラ2000』を観たのだ。もー阿部寛
サイコー、阿部寛につきるって感じでしたけど、あとで考えてみると、生命論的
にもナカナカ面白い、ある意味で傑作かもしれないと思った。ってわけでこれに
ついて書こうかと思ったけど、けっこうネタバレでもあるので、久々に「でぃー
ぷ・ひるます」の方に書いておきます。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/deep.html

追記:ところでこの『ゴジラ2000』、特撮がかなりうまかった。特に、空撮
シーンで、地上の風景が遙か彼方まで広がっていく中にはめ込まれたゴジラなん
て、超リアル。そんなふうに実写との合成、ようするに人間の「視点」からの描
写がかなりイイんだけど、これに対してゴジラそのものをアップで撮ると(神の
視点からの描写っていうか)とたんに、ウルトラマン的なちゃちな感じになって
しまう。どーせなら全部、人間視点でまとめてみたらどーなったんだろうか。ま
ぁ、やるはずないけど、観てみたいもんである。

■00.1.14
獏迦瀬:年末に川崎修さんの『アレント』(現代思想の冒険者たち)って本(講
 談社)を読んでたんですが、面白いですねー。
伊丹堂:思想家のハンナ・アレントの入門書じゃな。今度は原典を読んでみたら
 どーじゃ?
獏迦瀬:はぁ…。ちょうど今このサイトでも、インディアン強制移住問題がちょ
 っと話題になってるじゃないですか。アレントさんはアメリカという国が、唯
 一、人民による社会契約によって公的な権力を創造しえた、つまりホントの意
 味で民主主義が実現した国だとしてるんですけど、その国で、こんな「強制移
 住」なんてことが行われようとしてるんですから、どーいうことなんだ?って
 感じですよね。
伊丹堂:まーアレントさん自身、アメリカに対して全面的に理想化していたわけ
 じゃなくて、アンビバレンスな立場だったろうと思うがね。昔から、アメリカ
 の光と影っていうカタチで言われ続けていることではあるわけじゃけどね。ヴ
 ェトナム戦争から湾岸戦争までって感じで。それにしても一般的に言って、ど
 んな理想的な社会だろうと、「問題」が起こらない社会などはないってことは
 一応言っておくべきだろーな。むしろ「問題」が起きること自体は、その社会
 の「自由」の幅の広さを示すと言ってもいい。
獏迦瀬:試行錯誤ってことですか。
伊丹堂:ちゅーこっちゃ。その社会が民主主義的に成熟しているかどーかっての
 は、問題が起きないってことじゃなくて、起きた問題がうまく解決されてるか
 どーかで決まる。小室直樹さんも言っとるように、民主主義というものは「日
 々実行される」ことによってしか作りだされないもんなんだってのは、このこ
 とじゃ。肝心なことは、どの様な問題が起きようと、それを出来うる限り、自
 由と多様性を維持しつつ、公平に、というよりは可能な限り個人的な利害を越
 えた「正義」にのっとって、解決していくプロセスなんじゃ。
獏迦瀬:ロールズの「無縁化の論理」ですか(土屋恵一郎『正義論/自由論』
 書評参照)。
伊丹堂:まぁそーじゃが、民主主義は制度でもシステムでもなくて、それを実行
 せんとする精神、エートスがなくては成り立たんってことがダイジなんじゃ。
 小室さんは『悪の民主主義』で、アメリカは黒人奴隷問題を乗り越えていく過
 程で、自分たちの民主主義を鍛え上げたんだっていう言い方をしているわけじ
 ゃが、それで「完成」したってわけではもちろんないんじゃな。
獏迦瀬:よーするに日々の実行ですか。そーいう意味ではこれからの動向を見続
 けて行かなくてはならないわけですね…。
伊丹堂:まー、「政治的な」意味あいで言えばそーいうことになるじゃろうがね
 (ひるます注:今回のロングウオークそのものは「政治的な」ものではないと
 表明されていますので、ここでいう政治的な意味あいの議論は、ウオークとは
 無関係な、私の個人的なものだということを付記しておきます)。それよりそ
 ういう問題で言うなら、そもそもワシらの日本では、「日々、民主主義が実行
 されておるのか」ってことが問題じゃな。
獏迦瀬:まったくですね…。他人事じゃありませんでした。
伊丹堂:アレントさんが出たついでに言っとくが、けっきょくは日本人には、自
 分たち一人一人が、「権力」を創り出しているのだという自覚がまったくない
 ってことが問題なんじゃろーな。
獏迦瀬:権力はあくまで「おカミ」にあるわけですよ。それに関係すると思うん
 ですが、アレントさんの「政党論」が面白いですよ。
伊丹堂:英米型とドイツ(日本)型か。
獏迦瀬:英米型の二大政党制は、政党それ自体が公的な権力を形成しようとする
 ものだけど、ドイツや日本の場合、政党は特定の階層を代表して、国家権力に
 対して圧力をかけて利益を引き出すものだってことですよね。権力そのものは
 どこかにあって、国民はそれに対して政党を使って圧力をかける。政党は圧力
 団体にすぎないから、そもそも無責任なわけですよ。
伊丹堂:国民もな。栗慎の『自民党の研究』やアツオさんの『この国の八百長〜
 』で、自民党があっせん業者にすぎないってことが出てくるが、アレントさん
 の分類で言えば、そもそも日本の政党は、一度として公権力を担おうなどと考
 えたこともないわけじゃから、あっせん業者であって当たり前ってことになる
 わな。あっせん業者政治を批判する以上は、自分たちが(国民=選挙民を含め
 て)公権力を担うのだという覚悟を表明しなくてはならんハズじゃが、そんな
 政治家は聞いたことがない。結局はそれぞれの「政治理念」を表明しているだ
 けじゃからな。民主主義の実行という面からすると、大差ないとも言える。
獏迦瀬:英米型の政党は、公的なフォーラムであって、そこに人民が参加して公
 的な議論を集約する場だといわれてます。二大政党制は、二つの公的なフォー
 ラム間の競争であって、特定の利益階層を代表するのではないとされてます。
伊丹堂:ま、それもちょっと理想化が激しい気もするがな。事実はそうでもない
 じゃろう。それはともかく、民主主義の理念からすれば、政党はそうあるべき
 だってことじゃな。ちなみに公権力を政党が担うってのは、カタチだけみれば
 むしろ旧ソ連における共産党と同じだってのが、歴史の皮肉じゃな。「一党独
 裁」と「二大政党制」というところのチガイで、まったく別物になるわけじゃ
 が。いずれにしても、今後は政党がそういう意味でのフォーラムに変わってい
 かなきゃならないわけじゃが、それを通じて公権力を担うのは、国民ひとりひ
 とりなんじゃから、結局は国民ひとりひとりが「公的な精神」においてモノを
 考えることができるよう訓練されていなくてはならないってことでもある。 
獏迦瀬:また結論は教育の問題ってことですかね。
伊丹堂:考える訓練っていうと、大変そうじゃが、結局、人には得手不得手があ
 るわけで、全員がキチンと考えられるようにならなくてはならないってことは
 ないわけじゃ。ただし、人が公的に考えて行動しているかどうかの判断くらい
 は出来るようにしておかなくてはな。それが出来なきゃ選挙で誰に入れていい
 か分からんってことになるならの。いい人みたいだとか、誰かに頼まれたから
 じゃ困るんじゃよ。
獏迦瀬:…なんか「成人式ネタ」になっちゃいましたね。
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■お知らせ
『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
は「心とは何か?」をテーマにした「思考する」マンガです。オムレットの詳し
い内容はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html

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 発行者:堀込広明  (C) HIRUMAS 1999
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