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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■               第30号 00.2.12-00.2.18
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。人文系書籍の情報、社会時評、HP更新情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
価値観位相図・改/臓器移植法改正案、動き出す/石原都知事/新潟事件につい
て/森岡さんのファンページ

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         ■特別企画 下村誠CDプレゼント!■
         (↓くわしくは本文をごらんください)
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■00.2.12
ヘッドライン29号に追記(オマケ)として、さらに悪ノリで「位相図」をのっ
けちゃいましたが、これを前にのせた位相図とあわせてみるとナカナカ面白い。
トップページの「走り書き」にのっけた時点ではこの図に「タイトル」がなかっ
たもんで、いったいぜんたい、これ何の図なのよ?って感じが書いてる本人にも
あったんだけど(笑)、メルマガにする時点でタイトルをつけてみて、なんのこ
とかよーやく分かったっていう感じ(おうおうにして、そういうことってあるで
しょ。「意味は後からついてくる」っていうか)。

そのタイトル、最初の図には「人間のリアリティに関する位相図」とつけて、オ
マケの図には「人間の価値観に関する位相図」としたんだけど、それで「あ、そ
ういうことか」と分かったのは、これって『オムレット』の第4章中盤まで(f
ile10〜12)のリアルに関する問題と、第4章終盤(file13)の関
心事(よーするに価値観)をめぐる問題とに、それぞれ対応してるってことなの
ね。

『オムレット』では、リアルに関する問題を考えた果てに、オムレットが「でも
何のために、そーまでして生きてくんでしょう?」とギモンを呈して、一転して
話は「関心事」をめぐる問題に入ってく…っていう構成になってるんだけど、そ
れってオレが、最初の図(リアル)を書いたあとで、これってあんまり意味がな
いと言って方向転換し、別の図(価値観)を書いたってのと同じことなんだね。
同じ人間が書いてるんだから、当たり前だけど(笑)。ってことは、この二つの
図を『オムレット』の横に貼っておくと、より理解しやすくなる、というわけ?
というのは冗談だけど、ようするにこれは、科学的、というか認知科学的に解釈
できるレベルと、道徳的、倫理学的にしか解釈できないレベルとの「差異」とい
う一般的な問題だったりするわけだけどね。カントの「理論理性」と「実践理性
」の違い、というか。

というわけで、ついでに価値観位相図をちょっと改訂・追加してみました。さら
に悪ノリが過ぎるでしょうか?

【人間の価値観に関する位相図・改】

                 創造的
              (倫理的、「公」的)
                  │
                  │
           「政治」「学問/思想」「芸術」
                  │
  概念的・象徴的──「国家」───┼───「恋愛」──想像的・エロス的
    (共同的)         │         (個体的)
           「世間」  「家族」 「自己愛」
                  │
                  │
               反復(日常)的
             (非−倫理的、「私」的)

家族を中心軸にズラして、「自己愛」という項目を入れてみました。これはナル
シシズム的な同一化ってことだから、モノ的なリアルに価値をおく場合のすべて
がここに入るということにすればいいでしょうか。これによって「恋愛」から「
家族」への移行が、創造性から反復性への移行であると同時にエロス的なものか
ら社会的なものへの移行でもあるということが一目で分かる、というところが秀
逸です(笑)。また「国家」より「政治」を上におくことで、ここでいう「政治
」が、国家権力を超える「公権力」の創造を意味することをとっていただければ
幸いです。ちなみに、対偶関係にある「自己愛」が容易に「政治」に反転しやす
く、「芸術」と「世間」がもっとも反発し合う関係にある(さらには「思想」と
「家族」も確執の関係にあるか)、というのもご愛敬でしょうか。

さらに考えてみたのは、「普遍性」って概念はどこに入るのか?…創造が「普遍
性をめがける」ものである以上、図の縦軸の上側だろうか、と思ったのだが、考
えてみると、普遍性が獲得できたかどうかは、結果論だ、というのと、実際は「
恋愛」や「家族」のありようにおいても「普遍的」ということがありうるのでは
ないか?、ということがある。普遍的っていうのは、ようするに「共有しうるま
でに成熟する」ということなんだから。

というわけで、この「図」自体を三次元空間の水平面において、Z軸(垂直軸)
をつくり、それを上に行くほど「普遍的」としてはどうか?と考えた(ワカル?
…ようするにディスプレイ上の図のどまん中に棒が突き刺さってる状態を考え、
その棒をZ軸とする。そして、例えばその棒の手前側を「上」と考えるってこと
ね)。そうすると、この図のどこにおいても、たとえば創造は創造なりに、反復
は反復なりに、その位相において「普遍に達する」ということを表現できるでし
ょ。…とすると、そのZ軸の下の方(この場合、ディスプレイの奥)は何か、と
いうことも気になるけど、これは普遍性の反対が個別性というのではなくて、端
的に「失敗」、あるいは「未熟」、これじゃないでしょうか。

■00.2.13
掲示板にも告知しましたが、10日の読売朝刊で臓器移植法改正案が報道され、
いよいよ改正への動きが始まったという感じです。それに先だって生命学の森岡
さんが改正への反対を表明されたのは、ここでもお伝えしたとおり。私もくわし
い意見はここで表明していないが、基本的に森岡さんの意見に賛同し、この改正
案に反対します。そのナカミの議論はおいおい掲示板やウェブ・マガジンに書く
として、ワタシがいちばん危惧しているのは、現在の自自公政権において、なん
の議論もないままにゴリ押しでこういうダイジなことが決められてしまうんでは
ないか?ということ。ものの考え方、生き方の問題にかかわることなのにね。定
数削減にからむゴタゴタではマスコミもこぞって「分かりにくい」などと言い、
「ものの考え方」を問題にすることを放棄したわけだけど、分かりにくいと言っ
たら、今度の改正案(ひいてはそれへの反対意見)だって充分すぎるほど「分か
りにくい」わけで、「分かりにくい分かりにくい」などと言ってるうちに自自公
のやりたい放題にされてるってことになるんじゃないのか、それを危惧している
ってことです。
○森岡正博「生命学ホームページ」
http://member.nifty.ne.jp/lifestudies/index.htm

ちなみに、こういう時に逆にポーンと「分かりやすい」話を出してきたのが、石
原都知事で(石原「慎」税)、その「分かりやすさ」を「識者」はポピュリズム
(大衆迎合)として批判する。オレはギリギリこの石原都知事のアイデアについ
ては許容範囲だと思うが、むしろそのあまりの「分かりやすさ」にほとんど直感
的に拒絶反応を示した田原総一郎さん(今朝の「サンデープロジェクト」でひと
り天の邪鬼的に反抗していた)の気分がよくワカル。分かりにくさの拒絶と分か
りやすさの容認はウラハラの関係にある。スタンドプレーに惑わされず(それに
惑わされざるを得ないくらい、これまでの政治が情けないものだったってことな
んだが)、石原氏の言動を注意してチェックしていく必要があるだろう。およそ
「民主主義」とはかけ離れたものが見えてくるはずだ。

■00.2.14
♪ブル〜、バレンタ〜イン…(トム・ウエイツ)。
バレンタインだからってわけではないんですが、下村誠さんのCDプレゼントっ
て企画を唐突にもおこないます。トップページと下村HPに情報を掲載してます
のでご覧下さい。3月14日ホワイトデーの締切とさせていただきますので、ど
しどしご応募下さい。出来立てホカホカの「セイクレッド・ソウル」までプレゼ
ントしちゃうという大盤振る舞いです。「バナナブルー・ベスト」は古いけど(
CD自体はニュープレスなんで新品です)、不朽の名作だしね。特に、いままで
ウチのHP、メルマガで、下村さんの名前はよく聞くけど、CDやライブを聴く
機会がなかったって方々に、ぜひご応募していただきたいモンです。
○http://page.freett.com/nattyrec/index.html

追記:ついでというわけではないんですが、下村誠HPをちょっと模様替えしま
した。写真を新しいものに差し替えたのと、レイアウトが若干みやすくなったか
というところ。こちらもヨロシク。

■00.2.16
新潟監禁事件で当初はこの犯罪に対する罰が3年程度の懲役だろうと言われてい
たのに対して、警察が「PTSD=傷害」として10年程度の求刑が可能だとし
て、これをマスコミが「なかなかよいアイデアだ」と評価する、という次第があ
った。私は心に対する傷害を実体的なものとして扱っていいなら、彼のやった行
為そして意思を「魂に対する殺人(未遂)」だとすることだって出きるじゃない
か、と思った。その結果としての「心的外傷」であり、その後遺症としてのPT
SDということでしょう。屁理屈っぽいけど。

ようするに前代未聞の犯罪に対して法律は力が及ばない、ということを実証する
かのような事件だが、それにしても思うのは、ちょうど児童虐待が話題になって
る折りもおり、相手が児童だったということに対して(児童という抵抗力のない
相手だったという理由によって)、量刑をプラスするというようには出来ないの
か?ということだ。少年法で「少年の人権を保護する」ということと比べてずい
ぶんバランスを欠いているのではないかと思うがどうなのか? 法律にくわしい
方、法律にくわしくはないがこう考えるという方(オレもそうだが)、ご意見お
聴かせ下さい。

そんなおり国会で、政府が「警察の初動捜査にミスがあったのなら、国が(損害
に対して)補償する」ということを言ったらしい。結構なことだが、それで思う
のは前々から言ってる警察をチェックする権力の必要性だ。新潟は早々になんら
かのミスがあったということは認めたようだが、京都の方は「なんのミスもない
」の一点張り。それで済むのかね。

一方で新潟の方は、母親の立件を見送った。この母親がホントに「知らなかった
」のだと仮定して、ようするにこの人は「あえて知ろうとしなかった」わけだ。
このセリフ、どっかで聞いたことがあるでしょう、つい最近。あまり大きく報道
されてないが、上祐が復帰後の会見で「サリンの製造を知っていたのではないか
」と聞かれて言ったセリフね。「あえて知ろうとしなかった」ことの罪は大きい
と思うよ(もちろん、そのウラハラに彼なり彼女が実行していた行為との関連に
おいて、ということだけど)。実際に罪には問われないとしても、その罪の大き
さを感じてはいるだろうと信じたいけどね。それを感じるか感じないかの境目が
ようするに「人格障害問題」でしよ。

追記:さらにその後、新潟県警のウソ発表と4年前に事件を解決するチャンスが
ありながらみすみす見逃した事実が発覚。母親の立件見送りとこの事件を見過ご
してしまった事実はセットなんじゃないかと思うが、勘ぐりだろうか?

■00.2.18
「森岡正博さんのファンページ」が開設されてます。本家の掲示板がまじめな議
論をする場所という位置づけなのに対して、気軽に書き込めるファンの集いの場
という感じです。それにしてもなんてタイムリーなんでしょう。改正案に対する
議論がさらに広がっていけば幸いです(といいつつ、まだオレとしては何も動い
てないわけだけど、これを読んでいただいてる皆さんも、ぜひそういう動きがあ
るんだということを、近所やメールなどで話題にしていただけるとうれしい。別
に「反対しよう!」というのではなくて、考えるという態勢をつくってほしいわ
けです)。
○森岡正博さんのファンページ
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/4728/

追記:ところでウチの書評コーナーには森岡さんの本は『宗教なき時代…』につ
いてチラッと書いてあるだけの貧弱さ(よ〜く読むとあちらこちらで触れてはい
るんですけどね)。森岡さんの読者なら分かるかもしれないけど、森岡さんの本
「について」語る、というのは、何か自分を安易に「棚上げしてしまう」という
感じで、ナカナカ語れない、という感じがするんだね。日々の行為や考え方の中
で、それが「活きて」るかどーか、それが問題だというか。…つまり森岡さんの
本を読んでほしい、というか「ファン」ではあるんだろーねぇ、オレもまた。

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 ■おしらせ
 『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
 の詳しい内容は下記URLに掲載しております。ぜひご覧ください。
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html
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 発行者:堀込広明  (C) HIRUMAS 2000
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