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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■               第43号 00.6.24-00.7.6
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。人文系書籍の情報、社会時評、HP更新情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
一周年になりました/表現文化探偵団、ふたたび/『鬼と鹿と宮沢賢治』をアッ
プ/「いのちと死をみつめる」シンポジウムと『脳死の人』/東浩紀さんの書評
(『戦闘美少女の…』)について/総選挙の結果について

■00.6.24
ほぼ隔週刊化してます「ヘッドライン」ですが、第1号が去年の6月23日から
書き始めてるので、これでちょうど一周年ってことになるんだね。いちおう記録
のために目次のヨコに発行部数なんて書いてますが、第1号はなんと5人です。
しかも最初のころはオレ自身も読者登録してたので、ほんとの読者は4人。いや
〜そのころから読んでくれてる人がいまも引き続き読んでくれてるかどうかは知
るすべもないですが、ともかく、ほんとうに日頃のご愛顧に感謝する次第です。
これからも(なるべく週刊ペースにもどしたいとは思ってますので)よろしくお
願いいたします。

■00.6.28
「アイタル掲示板」ですが、あまり動きがないので(ていうか、管理人のオレが
怠慢でぜんぜん書いてなかった)、またもや「表現文化探偵団」の掲示板にもど
します。
○「表現文化探偵団」掲示板
http://www63.tcup.com/6328/hirumas.html
○「表現文化探偵団」HP
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/OP/index.html

いちおうもう一回説明しとくと、この探偵団はeグループというネットサービス
を使ったMLみたいなもんね。で、アラユル文化の表現(学問・社会・芸術・伝
統など)について研究?調査しようって大それた事になってんだけど、まだ何も
動いてません。探偵団のHPでは、みなさんからの「テーマ」を募集しているの
で、ふるって投稿いただきたい…と思ったんだけど、これも前例がないせいか、
まったく投稿がないので、この際、この掲示板の方に気軽に書き込んでいただき
たいと思います。この掲示板はもちろん団員でなくとも参加できます。ま〜、表
現や文化については何でもオッケーなわけだから、オレとしてはCMとかテレビ
ドラマとかの軽い話題を書いてこーかなーと思ってます。ぜひぜひお気楽にご参
加くださいませ。

追記:考えてみると、もともとこの探偵団では東北の民俗芸能もテーマにしよう
と思ってたので、あまりにテーマが広がり過ぎというか、逆に言えばかたよりす
ぎてるという感じでしたが、このたび「東北系」HPの方でその方面をやること
になって、スッキリしたわけだ。民俗芸能、民俗学、妖怪・鬼などに興味のある
方は、「東北系」とそのリンク先のサイトを、ぜひご覧ください。
○東北系
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/TOHOG/index.html

なお、東北の民俗芸能の祭典、北上・みちのく芸能祭りの日程は、8月7日〜9
日の3日間です。東北系トップページに、祭りのチラシと、岩手の民俗芸能と、
この祭りについてまとめた資料集『炎の伝承』のお知らせを掲載してます。興味
のある方はご覧ください。それにしても『炎の伝承』、このタイトルはいいです
ねー、オレもよく「伝承」とか「伝承の語り」とかいうタームを使うけど、これ
からは「炎の伝承」で行こう!って感じだね(この本については「鬼」関連サイ
トの「こおに」さんに教えていただきました。この場を借りて御礼いたします。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ohgai/6892/)。

さて、この「東北系」サイト、夏の特別企画?として、東北の「おっかね話」つ
まり「怖い話」を募集してます。東北弁による東北の怖い話を集めようという企
画。ここで宣伝しても「東北弁」で話せる人はあまり(ほとんど?)いないかも
しれませんが、知り合いに東北出身者がいる方は、ぜひお誘いくださいませ。

■00.7.5
その東北系とも絡みますが、前号でちょっと紹介した門屋光昭さんの『鬼と鹿と
宮沢賢治』について、走り書きで書いたのですが、長いのでウェブマガジンの方
に移動しました。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas34.html#0705

■00.7.3
日付が前後しますが、きのう(2日)は森岡正博さん登場の「いのちと死をみつ
める」シンポジウム(@上智大学)に行ってきました。くわしいレポートは後ほ
ど上智大サイドのHPでも報告されるようです。
http://www.info.sophia.ac.jp/cathocen/

また森岡関係レポートではおなじみのカエルさんがさっそくこのシンポについて
も書いてくださってますので、そちらもチェックしてご覧下さい(いつもながら
分かりやすく、雰囲気がよく伝わり、楽しいレポートです!)。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/4728/

森岡さんの『脳死の人・増補決定版』もぜひ買って読みましょう。これは11年
前に刊行され、文庫化もされた『脳死の人』の復刊。文庫版での追加にさらに、
脳死移植が行われる直前の講演、今回の改正への動きに対して早々と発表された
『論座』論文が、追加されています。
この本についての特設掲示板も盛り上がってます。
http://www69.tcup.com/6912/noshinohito.html

このシンポに先駆けて、森岡さんと、臓器移植法改正をすすめている町野さんと
の「対決」的な対談が『論座』8月号に掲載されてます。論点が非常に明確に整
理されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

また私の考えは、このまえの「民主主義マンガ」みたいなカタチでまとめてみよ
〜かな、などと思ってます。「オムレツ、脳死・臓器移植を考える」みたいな…
乞うご期待?

■00.7.6
先日紹介した斎藤環さんの『戦闘美少女の精神分析』(太田出版)ですが、先週
の読売新聞の書評欄で、例の東浩紀さんが取りあげてましたので、ちょっとコメ
ントしとこうと思いつつ、遅くなっちゃいました。ひとことで言って、東さんっ
て、ちゃんと読んで書評してんのか?って感じだよなー。もちろん、斎藤さんの
あの超複雑な(失礼!)文章というか論理を、短い書評で言い表すのは難しい、
というのは割り引いてもいいけど。実際、私も以前、チラッと「象徴界」をめぐ
ってコメントして(ヘッドライン38号)以来、ちゃんとコメントするのが出来
ずにいた。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/HEAD/head38.html

それにしても東さんの書評は「…是非はともかく、まずは大胆な仮説を出したこ
とを高く評価したい。…広く読まれ、議論されるべき本だ」などと、あまりに紋
切り型にして高飛車じゃーありませんか。いつから論壇の大御所になっちゃった
のかね。それに内容のまとめについても、「おたくたちは、なぜ戦う女の子が好
きなのか?」とか「おたく的感性を『病理』として捉える」などと、あたかもこ
の本が「おたく」という人々についての論であるかのような限定・矮小化がすぎ
ると思う。斎藤さんの論は、「戦闘美少女」という特殊な表象=イメージについ
ての考察であって、「おたく」については、それを生み出した土壌として考察す
ることが「さけられない」とされているにすぎないのだ。東さんは現時点で「お
たくの集団」は解体しており、「おたくの病理」を考察するこの本の意義に「疑
問」を呈するわけだが、そもそもこの本の核心がそんなところにない以上、とん
でもない取り違えというものだろう。(ついでに言ってておくと、そのヘッドラ
インでふれた「象徴界」に関して、斎藤さんは明確に東さんを批判しているのだ
が、それについてはまた場をあらためてキチンと対応してほしいものだ)。

しかし、それにしてもここで、それじゃその斎藤さんの本って「おたく論」じゃ
ないなら、なんなのか?ってことについて書いとかないと、言い逃げになっちゃ
うでしょう。ポイントだけ言っとくと、斎藤さんが問題にしているのは、「おた
く」が、ではなくて、この我々(普通の人々、つまり「神経症者」)が、いかに
してこの「過剰に情報化された社会」において、「生の戦略」をたてていくこと
が出来るか?という、きわめて「実存的」な問いなのだ。実存的、というのはオ
レの言い替えだけど、それは斎藤さんによれば、性への問い、われわれ自身のセ
クシュアリティへの問いだ(「世界がリアルであるためには、欲望によって十分
帯電されなければないらない」)。そして東さんの「まとめ」には、この「性」
がまったく脱落してしまっているのだ。

これに関しては、オレはすでにそのヘッドライン38号で、小浜さんの恋愛論に
ひきつけて、斎藤さんの問いは、ヘッドライン37号でふれた「女性性」「至高
のエロス」とリンクするとほのめかしておいたけど、まさにそこのところだね。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/HEAD/head37.html

このような問いは、斎藤さん=ラカン的には、ヒステリー化せざるをえない。「
女性は存在しない」からだ。「女性を愛すること」「戦闘美少女を愛すること」
が等しく「ヒステリー」的とされるのは、そのためだ。その「女性性」について
で示した「女になること」というのは、オレ的に言えば、ヒステリー化しないた
めの「抜け道」みたいなものなんだけど、それもただの妄想でしかないんだろう
なぁ。第一、「誰にでもできる」わけではない(笑)。一方の「戦闘美少女」は
「おたく」のみならず、非常にたくさんの人々にも「受け入れられ」「愛され」
る可能性が高い。そこが、斎藤さんが「戦闘美少女」というイメージの「発明」
を高く評価し、肯定するところだろう。そのように多くの人にとっての「生の戦
略」の、ある意味でのヨリドコロになりうるからだ。

ところで以下余談。斎藤さんが日本と西洋の「現実と虚構」の位置づけを比較し
ながら、日本においては虚構(ようするに芸術文化領域)が、虚構として自律し
ているということを書いていることがある(そのことが「戦闘美少女」イメージ
生成の前提になっている)。逆に西洋では虚構はあくまで、現実(ようするに社
会とか日常という領域か)を媒介にして、その従属という位置づけになる。だか
ら西洋においては、マンガやアニメの絵が、そのままで「セクシュアリティ」を
持つことに対して抑圧があり、あのような全然かわいくない(そそらない!)「
絵」になってしまうのだ、という説明が面白かった。というのも、そのヘッドラ
イン37号での「女性性」の話ってのは、新宮一成さんの『無意識の組曲』の「
ポール・デルヴォー」についての話から来てたんだけど、そこでデルヴォーが「
絵の中で女になっている」というのにひっかけて、オレは(マンガ家にとって?
)「絵の中で女になっている」ってのは「当ったり前のこと」って書いたけど、
それって極めて「日本的」なことだったのね(笑)。ということは、西洋におい
て「虚構」が自律的にセクシュアリティを持つことが抑圧されている、というこ
とは、一方では、描き手が「女性化」することが抑圧(禁止)されているってこ
とでもあるのか…、などと思った。

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■総選挙の結果について
 〜トップページに掲載したものに加筆しました〜

ついに総選挙が終わりました。
投票率の低い割には与党が後退し、民主党が躍進した、ということ。政権交代に
はつながらならなかったものの、たしかに一つの潮流は築かれつつあるという感
じです。結果的には、争点が「利益誘導」対「民主的な公共性」というところに
収斂してハッキリしてきたのは大きな成果でしょう。このようなカタチで選挙が
行われたことはこれまでなく、「民主的な公共性」を求める勢力が、このような
カタチで結集できたことは、画期的なことだと思います。

とくにネットでのリンクや掲示板での投稿など、「民主主義の精神・公共性の精
神」を多くの人と共有し得たという経験は、これからの希望になります。小渕藩
(笑)の状況など見れば明らかなように、ああいった利権に絡みつく「世間」的
・共同体的結合を切り崩していくには、まだまだ時間がかかる、ということでし
ょう。そんなものが一朝一夕に変わったら、かえってそれは一時の「風」みたい
なもので終わったかもしれません。じっくりとこの「精神」の芽を育てていきた
いものです。

とくに今回の結果については、都市対農村という二極化が云々されますが、地方
においても、自民党的「利益誘導」でいくより、民主党的「地方分権」でいった
方が、よりホコリの持てる生活が可能なはず。「公共性の精神」は「地方」に対
立し、それを蹂躙するものでは決してなく、むしろ共有可能なものなハズです(
そうでなければ、単なる「都市のエゴ」であり、「公共性」とは言えないでしょ
う)。それをどう共有していくか、といったところが今後の課題でしょう。

そういう意味で、当然だけど、これから大事なのは議会における議論の中身って
ことです。それが内容のないものであれば、せっかく「公共性の精神」に向けて
投票した人も幻滅してしまうでしょう。しかし自公保連立が大幅に議席を減らし
たことにより、これまでのような「議論抜き」の強行的な運営はやりにくくなっ
たハズです。これも今回の投票の一つの成果ではあるでしょう。いずれにしても
これからの議会において、国民に向けた議論を行っていって欲しいもんです。

当サイトやリンク先のキャンペーンに賛同していただいた皆さん、また投票され
たみなさん、ありがとうございました(オレがお礼いうことでもないんだけど、
キモチです)。
○「選挙に行こう」キャンペーンを行ったサイト
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/link.html#jiji
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 ■おしらせ
 『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
 の詳しい内容は下記URLに掲載しております。ぜひご覧ください。
 http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html
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 発行者:堀込広明  (C) HIRUMAS 2000
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