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■ ■■ ■ HIRUMAS HEADLINE WEEKLY
■■■■■■ 週刊ひるますヘッドライン
■ ■■ ■                第5号 99.7.22-99.7.28
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 ひるますヘッドラインは、ひるますHP冒頭のコラムを一週間分まとめたもの
 です。HP更新情報、マンガ製作日誌、人文系書籍の情報、身辺雑記などです。
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■今週の主な内容
iBOOK/于論茶さんの「公」/斎藤環「ひきこもり系×じぶん探し系」/小
浜逸郎『「弱者」とはだれか』/井上ひさし『にほん語観察ノート』/宮台真司
ほか『戦争論妄想論』/「小脳論」と「愛」

■99.7.22
ついに出てしまいましたね、iBOOK。どーりで妙にiMacのCMをやたら
やってると思った(発表前に売っちゃおうってこと?)。たしかに欲し〜いデザ
インではあるけど、いまやバカでかいポケットボードピュアにしか見えない…っ
てのが悲しい。マックOSライト?とかいう軽量OSを搭載したモバイル機を開
発中とかいう噂もあったけど、あれはどーなったんだろうか。早いトコ出して欲
しい…。デスクトップ機にインターネットとかデータベース(スケジュール等)
が同居してると、どーも気が散っていけない。いや、仕事さぼってメールの返事
書いてるわけじゃないけど、ホント(笑)。

そういえば、中吊りで見たと思うけど、SPAで「HPジャンキー」の記事が載
ってますね。家庭の崩壊も省みず、毎日更新につとめる人々…他人事じゃないか
も。

ウチのリンクページでリンクしている于論茶さんのホームページ(掲示板)で例
の東芝事件に関連して、于論茶さんが「公」とは何かということを語られていま
した。非常にスルドクもまた共感する内容です。ぜひご覧ください。
于論茶ホームページ
http://www.uroncha.com/index.html

そういえば、たまたま昨日立ち読みした小浜・林氏の『間違えるな日本人』(以
前紹介)でも「公のナカミ」が問題、という議論がのってました。私自身の「公
」についての考えは、かなりデフォルメしたカタチで、伊丹堂に語らせてみまし
た(バーチャル伊丹堂)。ようするに「公」とは「公共性の精神」であり、ある
種の「精神性」を問題にしなくては、捉えられない、ということです。
バーチャル伊丹堂
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/index.html

リンクといえば、書評系でリンクしているKikiHouseさんのURLが移
転してます。ここで取り上げてる本は結構気になるものが多いのだ(読む本の傾
向が似てるっていうか)。
Kiki House
http://www.linkclub.or.jp/~kiri

■99.7.23
きのう書評系リンクのKikiHouseさんのURL移転を書き込んで↑、「
書評と言えば…」と思ってFKSさんのHPを見に行ったら、なんとトップペー
ジに「もうすぐ引っ越しします」の文字が…。偶然というより、結構プロバイダ
ーの状勢が変わってきてて、移転する人が増えてるってことでしょうか。3年間
も、このもたつく「ベッコアメ」にしがみついているオレって、ちょっと異常か
も(というかせっかく来てくれる方に失礼なんだよね、ここの「遅さ」って)。
昔から引っ越しや旅行がキライな、出不精男につきしばらくご容赦ください…。

FKS's Meconopsis horridula
http://www.os.rim.or.jp/~fks/index.html
 (ちなみにこの時見に行ったら、ひさびさに新作の「雑文」が掲載されていま
  した。この人の「雑文」って、ほんと面白くて、なんか「愛しさ」を感じて
  しまう。もちろんヘンな意味じゃないですよ)

と、いいつつ、書店めぐりをしていたら、雑誌の「文藝」の別冊で「J文学をよ
り楽しむためのブックチャートBEST200」とかいうのが出てて、巻末にあ
の斎藤環さん(『文脈病』の著者)の「ひきこもり系×じぶん探し系」という文
章が載ってました。タイトルだけだとあまり興味がわかないかもしれないけど、
これには作家や評論家、学者などを、「ひきこもり系」か「じぶん探し系」か?
という横軸と、「適応」か「不適応」かという縦軸によるグラフに、マッピング
したものがついていて、これがケッサク。
 (よーするに、こういう感じの…)

                  適応
                  |
                  |
   じぶん探し系 ――――――――+―――――――― ひきこもり系
                  |
                  |
                 不適応

「ひきこもり系―じぶん探し系」は現代的な解釈での「内向―外向」タイプと考
えれば分かりやすいけど、詳しくは斎藤さんの文章を読んでもらうとして、もう
考えるまでもなく私は「ひきこもり系」(適応―不適応は不明?)ですね。

これを分けるポイントが「自己イメージ」だそうで、「ひきこもり系」は、自己
イメージが「不透明」で(よーするに実感として「ある」ってことですか)、は
じめから「自分」が「他者」としてある。だから、自分の内的な体験、内的な対
話というものが充実したものとして感じられるのだそーだ。これに対して「じぶ
ん探し系」では、自己イメージが「透明」なため、ひたすらに他者に同一化・転
移しようとコミュニケーションやパフォーマンスに走るのだという。そのため「
じぶん探し系」の人の作品は、その都度の状況や問題を的確かつタイムリーに捉
えて共感を呼ぶというのだけど、これ自体を「症状」と呼んでいるのが面白いで
すね(まさに、その都度の「語り」ですか…ヘッドラインの前号参照)。逆に「
ひきこもり系」の人の作品は、「自分の内的な過程への没入」によって非常に「
オリジナルで特異な」作品をつくり出すのだが、それはあまり多くの人に受け入
れられることはない…。う〜ん(たしかに『オムレット』がそーですね…)。

ちなみに斎藤環さんのHPはこちら
http://www.bekkoame.ne.jp/~penta2/(ベッコアメじゃん!)。
斎藤環さんの『社会的ひきこもり』(PHP新書)もご参照ください。

面白そうな本ではやはりそのPHP新書から出てる小浜逸郎さんの『「弱者」と
はだれか』。昨日話題にした「公共性のナカミ」の問題にまさに具体的に踏み込
んでいった本というところでしょうか。やっぱこういう具体的な話こそが必要な
んでしょうね。つまり「公共性の精神」といってもはじめから、具体的な状況に
置いて、何が正しくて何が悪いかということが明示的に決まっているわけではな
い。そこにあるのは「方向性」だけだからだけど、だからこそ具体的な現実を「
知る」ってことが必要になるわけでしょう。そしてそのためには、その「知」の
枠組みがほんとうに妥当なものかを検討するという作業が不可欠なものになる。
小浜さんの仕事はそこをキチンと押さえてると思います。

「知る」ということのダイジさについては、村上龍さんの『あの金で何が買えた
か』(小学館)の序文『「知る」ということ』にも書いてありました。基本的に
賛同するものです。

■99.7.24
愛について、書いてみました。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/WEBZIN/hirumas30.html#0724

■99.7.25
先日、斎藤環氏の「ひきこもり系…」を紹介したけど、斎藤さんってホント、新
しい言葉を発明する名人なのである。何を隠そう?『オムレット』における「コ
トのリアリティ」というのも、斎藤環「まるしー」である。これは『オムレット
』107頁にも明示してあるけど、これを入れる時、編集側から「こんなことオ
リジナルじゃなくて当たり前のことなんじゃないですか?」という疑問が出たの
だけど、私はあえて入れたのだった。たしかにこれは一度聞いてしまえば、ごく
当たり前のように感じるかもしれないけど、実際これは「発明品」なのだ。で、
前に橋本治を引いて言ったように、それは「完成してしまえばその結果は”簡単
”に見える」のだ(ヘッドライン3号参照)。

ちょうど読売新聞の日曜版に井上ひさしさんの『にほん語観察ノート』というエ
ッセイが連載されていて(『日本語練習帳』みたいに新書にして売るつもりなん
だろーか)、その7月4日ぶんに「命名いろいろ」というのがあり、そこの問題
を語っていた。井上ひさしさんも誰がどんな言葉を発明(考案)したかに興味が
あって、それを手帳につけているのだそうだ。「頭の中になにかもやもやしたも
のがたまって、これまでの言い方でそれを表現しようとするが、いま一つしっく
りこない。別に云うと、みんながそのもやもやに名前をつけることができないで
いらいらしている。そういうときにだれか才能のある人が、たとえば『そういう
絵は、へたうま、と云えばいいんだよ』と名前をつけてくれる。とたんに、『そ
れは便利だ』ということになって、みんなでその言葉を使い始める…と、世の中
はそんなふうになっている」というのだ。

「才能のある人が…」とあるけど、ごく普通の人でもそれを多々やっているとい
うのが、井上さんのこのエッセイでの主旨で、この回のエッセイのタイトルにも
「市民もすぐれた考案家」とある。以前ヘッドラインのオマケで明石散人の「発
明や発見はむしろ日常的なもの」というのを紹介したけど、まさにそれ。でもや
はりそこには「出来不出来」という問題があって、つくづく斎藤さんは「名人」
だなぁ、と思うわけである。ちなみに私のHP内には、他にも「斎藤まるしー」
があるので、探してご覧ください(それにしても斎藤さんにはメーワクな話題で
はある…陳謝)。

■99.7.26
ハイジャック事件の続報で、空港側の対応のずさんさがハッキリしてきて、あま
りにもひどすぎる。ふとペルー事件を思い出すが、あのとき私は、マスコミが「
大使」の責任ということばかり繰り返しているのに対して、なんだかだ言っても
ゲリラが悪いに決まっているではないか!ということを言ったのだが、今回は「
犯人が悪い」と言い捨てることはできないだろう。もちろん犯人が悪いというこ
とを情状酌量するものではないが、ここはハッキリとその対応をした人々の「責
任」を問いただすべきところだろう。そんなこと言うまでもない、ということで
あれば結構なことだけど。

小林よしのりの『戦争論』を批判する『戦争論妄想論』(教育史料出版会)が出
てました。宮台真司、水木しげるほかが書いてます(水木先生のは雑誌掲載の再
録)。この前アップした「愛について」でも、加藤典洋さんの「べしみ」(無言
の否)を取り上げたけど、私が「べしみ」という言葉から連想するのは、いつも
水木しげるの戦争マンガなのだ(意識的に語ることを拒否した、というより、戦
争による「死」によって、語ることができなかった人々の「無言」のメッセージ
を伝えようというのが、水木先生の戦記マンガだと思う)。宮台氏の共同体と公
共性をめぐる議論は、予想通りほとんど賛同する内容でした。宮台氏との「原理
的な」ところでの違いについては、いずれ「宮台問題〜らせんの章」(笑)で書
きたいと思ってます(ネタ本は『よのなか』の予定)。

■99.7.27
う〜ん、それにしてもジャコウネズミさんの「小脳論」、メチャメチャ面白い。
なんといっても「すぐ役に立つ」ところがイイです。前に紹介したときは、さわ
りしか読んでなかったけど、こんどはちゃんとプリントアウトして読んでます。
「愛について」も、もうとっくに書いているんですねー。基本的なところの考え
方がすごく重なっている(と、勝手に思ってる)けど、むしろ目からウロコとい
うところが多いのだ(つまり、前に言った意味での「発見・発明」的なコトが非
常に多いってこと)。また教えたくないものが一つできてしまった!
J's Cafe/小脳論
http://www.asahi-net.or.jp/~ng1f-ist/index.html

追記:教えたくない、なんてつい書いちゃいましたけど(何度も言うように私は
ケチなのだ)、特に不況・リストラなど「社会」に疲れちゃった、って人は、ホ
ントこれ読むとホンワカと「希望」が沸いてくると思うよー。私も気持ちが清々
しくなりました。

■99.7.28
この前の「愛について」で、自分がやりたいコトへの「愛」ということを言った
のだけど、実際問題として私自身はマンガを描いていない。下書きやネームのま
ま放ってあるのが結構あるのです。こーゆう状態で人に「好きな事をやれ!」と
か「愛がないのか!」といっても説得力ないですから、イカンのだ。というわけ
で、マンガへの「ひきこもり」モードに変えつつあります。しばらく「オンライ
ンマガジン」の方の更新はないかも…。この走り書き(ヘッドライン)は続きま
す。というわけでヨロシク。

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■お知らせ
『オムレット〜心のカガクを探検する』(心の科学研究会G.N.C./ひるます著)
は「心とは何か?」をテーマにした「思考する」マンガです。オムレットの詳し
い内容はこちらに掲載しております。ぜひご覧ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/COMIC/digicomi15.html

「バーチャル伊丹堂」は手動掲示板です。ぜひご参加ください。
http://www.bekkoame.ne.jp/~hirumas/GNC/index.html

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