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すたすた… さて、ここに臨終の人あって、ついに寿命が残り一秒に迫った。 この時計で計った一秒が、体験する当人に百年、千年と実感されれば、それは純然たる死後の世界、死後の心とは言えなくとも、ほとんどそれに同じと言えなくもない。 五蘊の空なるを知り、虚空をスタスタと歩いてゆく風狂の者は、光から夜へ、そして夜から光へと障りなく往来して、また無限から無限へ遊び、天地創造を目撃し、愛に破れた心をかかえて街の中でそっと立ち止まる。
世にいう唯物論と唯心論、並べてみればあたかも対立するが如くに見えようが、実体を立てて基本とするは同朋の思想と知れる。もし実体といってよいものがあるとするならば、全体を全体としてみるとき、それは実体であると言ってもよかろうが、その全体も無限次元へ展開するものであれば、思弁にては追いつくこともできず、イメージのみが宙に舞う。
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