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珠緒: |
あ、獏迦瀬くん、これからお昼ごはん?(今回の舞台は学生食堂、参院選投票日の翌日なのです。) |
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獏迦瀬: |
はぁ…ねむ…。開票速報で今回も寝不足です。結局、小泉旋風、予想通りの結果でなんも面白くなかったですけどね…。
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珠緒: |
予想どおりなんて、8時の時点で分かってるんだから、別に深夜までテレビみることもないでしょ〜に…。
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獏迦瀬: |
ついつい見ちゃうんですよね。珠緒さんは見なかったんですか。
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珠緒: |
ちょっとは見たわよ。民主党の海江田万里さんが出てた局で、その海江田さんが選挙終盤になって、小泉内閣の構造改革の性格がはっきりしてきたなんてこと言ってたわね。ようするに伊丹堂さんが言うような経済至上主義って方向だと思うけど。
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獏迦瀬: |
考えてみれば都議選が終わった時点で伊丹堂さんは、東京自民党と石原慎太郎知事の方向性はけっきょく同じで、経済至上主義ってとこで結びつくってことを指摘してましたが、この選挙期間中、小泉―石原ラインってのがすごく目立ってきてましたからね。ここに舛添さんがカナメとして出てくるわけです。
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珠緒: |
ノブテルとかね…。そのラインと今度の教科書問題・靖国問題が結びつくキナ臭さを野党がもっと強調してれば、選挙結果もちょっとは変わったかもね。 |
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獏迦瀬: |
う〜ん、どうですかね。どっちにしても、経済至上主義とグローバリズムが世の中を席巻していくという感じで、なんか気が重くなってきます…。
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珠緒: |
たしかにね…。なんつ〜の、ひとつの価値観に染まったコトバだけが大手をふってまかり通るっていうか?、そういう息苦しさがあるわよね、小泉自民党の圧勝ってこと自体にね。「グローバルな空の下」ってのは、ある意味、空爆下のユーゴスラビアにも似たものだったりして…。
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獏迦瀬: |
ユーゴ?!なんすかそれ?
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珠緒: |
いや、ベーター・ハントケ『空爆下のユーゴスラビアで〜涙の下から問いかける』(同学社、元吉瑞枝訳)って本があるんだけどね、これが面白いのよ。ハントケって、ヴィム・ベンダースの『ベルリン天使の詩』の脚本家でもあるドイツの作家なんだけどね。
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獏迦瀬: |
えっそうなんですか!! ボ、ボクァ〜、『ベルリン天使の詩』のファーストシーン、思い出すだけで泣けて来ちゃいます。…中年男が子守歌みたいなのを唄ってる声から始まるんですよね(泣)。 |
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珠緒: |
そおそお!、でね、ハントケのこの本って、訳がいいんだと思うけど、まったくあの天使のモノローグの感じ、あのリズム感と天使の透徹した視線っていうかな?、そんな感じで書かれてるのよ〜。
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獏迦瀬: |
それは面白そうですね、で、それがユーゴのルポというのはまたどういう…。 |
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珠緒: |
つまりユーゴ空爆の時って、とにかくユーゴには悪玉独裁者がいて、それをやっつけるために空爆するんだから、それは正義だと、右も左もこぞって賛成するって状況だったじゃない。その「正義」の言論に対して「ちがうんじゃないか」って言ったのが、ハントケなわけよ。
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獏迦瀬: |
それで実際に現地へ行ってみたということですか…。ここらへんの問題はボクはよく知らないんですけど、かなりにフクザツなんでしょうね。そのへん、くわしく解説してあるんですか。
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珠緒: |
むしろそういう政治的―歴史的分析はほとんどないわね。それを知りたい人は他の文献読んだ方がいいんだろうけど、…ようするにハントケがここでやろうとしてるのは、そういう「正義」の言論に論理的に反対して「正しいのはこっちだ」って主張することじゃないと思うのよね。
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獏迦瀬: |
はあ…。
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珠緒: |
そうではなくて、現地におもむいて、そこに暮らす人々や風景を描写する。あるいはそこに「現にいる」自分を描く…、それが何かと言えば、そういう正義の論理が席巻する世界に対して、「他者」を現出させるってことだと思うのよ。
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獏迦瀬: |
なるほど…それは柄谷のいう「常に否定として現れる他者」、伊丹堂さんのいう「永続的な他者への配慮」ってことですかね。ひとりよがりを破壊する他者というか。
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珠緒: |
それを現出させる…ってことは、ハントケの旅とその手記は、「倫理的な問いかけ」になっているということでしょ。それに応じて正義の言論の横行からちょっと身を引いて考えてみれば、たしかに「それが空爆でなくてはならない」理由なんてほとんどないのよね。
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獏迦瀬: |
NATO軍の兵士(人命)を消耗せずにすむってのと、ミサイルの生産で経済効果がある…ってくらいでしょうか。ようするに経済至上主義ではありますね。…あっ!、たしかに「グローバルな空の下」ですね。
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珠緒: |
それは例の「ミサイル防衛構想」なんかにもまっすぐつながってるワケでしょ。 |
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獏迦瀬: |
前回、グローバリズムについて考えた時にも思わされのですが、その「論理」それ自体を見ていると、たしかにそれは「正し」くて、それを否定する理由はなにもない…と一見みえてしまうというところがありますね。しかし逆にいえば、その論理「だけが」唯一の選択肢であるなんて理由もまたないワケですが、そこが見えにくくなる。
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珠緒: |
ハントケはこの戦争が「物語ること」や「文脈」によってこそなされたのだ、と語ってるわ。まさに一つの物語・文脈以外の見方ができなくなるというカタチで戦争が遂行されるっていうか。
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獏迦瀬: |
日本で言えば「空気」とか「世間」ってことでしょうが、それは日本に特殊なものではないわけですね…。ハントケみたいな「倫理的な言葉」が、いまの日本にも必要なんでしょうね…。
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珠緒: |
ちゅ〜こっちゃ、なんちて(笑)。 |
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獏迦瀬: |
ガク…。 |