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「アンゴルモアの牛」号


■CONTENTS
報復戦争の読み方狂牛病に思ふ

■報復戦争の読み方(01.10.11)

獏迦瀬: ついに報復戦争に突入ですか…。
珠緒: ついにって、遅いよ。まあナカナカ複雑な問題で、ここでのコメント、間があいちゃうのもワカルけど。
獏迦瀬: そうっすね。基本的には報復への反対ということをすでに表明してはいるわけですけど、次々に情勢が変化しているというのもありますからね…。
珠緒: 私としてはいまだにビンラディン犯人説って前提がそもそも問題だと思ってるんだけど…。そこをハッキリしないと何言っても空中楼閣って感じよね。
獏迦瀬: しかも攻撃自体は「報復」ではなくて、犯人引き渡し要求の「手段」のハズだったのに、いつの間にか完全にタリバン政権転覆が目的になってますよね。朝日新聞の田岡さんでしたっけ、あの軍事ヲタクみたいな(失礼)、アメリカが制空権確保なんて言ってるときに、そもそもタリバンに空軍力なんてないよと喝破してましたけど、ってことはやはり軍事施設や政府の主要施設を破壊して政権を転覆するのが目的ってことでしょう。
珠緒: ようするにタリバンとしては、実際には「ビンラディンの引き渡しを拒否した」っていう事実があるだけであって、テロ支援をしたっていう確固としたものがあるわけでもないでしょ。それだけの理由で一つの国を攻撃するって権利や根拠がどこにあるの?って感じよね。
獏迦瀬: 「国際社会」ってのが、またそれを容認してしまってます。これほど世界がアメリカにしっぽをフリまくるとは思ってもいませんでした…。
珠緒: しっぽフリ合戦の先頭に立ってるのが小泉とブレアよね(笑)。小泉が首相になった時、この二人の共通点がいろいろ指摘されてたけど、ここに極まれりって感じ。ブレアってもうちょっとまともな人かと思ってたんだけど。ブレアはともかくとして、小泉さんが国会でビンラディン主犯説の証拠を開示するって話もなんの中味もなかったわね。
獏迦瀬: はっきりした証拠もないのに犯人を引き渡せといって、それを拒否されれば「共犯」だといって攻撃する…それじゃまるでやくざですよ。といったらやくざさんに悪いですけど。
珠緒: あとビンラディンのテログループが「否定しなかった」のを「証拠」だと言ってるのが笑わせたよね。
獏迦瀬: そうです。まさに「べしみ」の論理で、暴力的に食ってかかられた場合に、それに対してコトバで応答しなくてはならない義務なんてないんですよ。
珠緒: そう、ビンラディンは、アメリカ社会の一員でもなきゃ、そもそもグローバル経済下の市民でもないんだから。
獏迦瀬: まあ市民なら逆に黙秘権もあるわけですけどね…。
珠緒: あはは、ほんと。つまり「市民」じゃないから、証拠なしで攻撃してもいいってのはスジが通ってるわけね。ただしそれは「単なる暴力として」スジが通ってるってことよね。
獏迦瀬: 基本が暴力なんですから「証拠」のなんのといってもみんな「言いがかり」になっちゃうわけですね。
珠緒: この報復戦争を肯定する人たちは、自分があらぬ嫌疑をかけられた時に、勝手に逮捕されたり拷問を受けたりするってことを甘んじて受けるって覚悟があって肯定してるのか?って言いたいわ。
獏迦瀬: テログループが「次のテロの続発」を予告したことをもって事実上の犯行声明だとする見方もありますね。
珠緒: それこそお笑いでしょ。アメリカがタリバンとテロリストグループに攻撃したことは公然の事実なわけで、その声明が仮に犯行声明だとしたって、それはその攻撃に対する「報復」の声明でしかないわけでしょ。それをそれ以前にさかのぼってあの「テロ」についての犯行声明と見るなんて牽強付会ってのはこのことヨ。
獏迦瀬: それにしてもこのレベルにこだわってるサイトってあまりないんでしょうね…。ほとんどはタリバンが絡んでることが「明らか」だという立場で、そっから見れば、こんなレベルを問題にしてること自体「言いがかり」に見えちゃうでしょうからね。
珠緒: ほんと、特にナニがなんでも戦争協力したいって人にはね。もちろん主犯がビンラディンだという仮定の上で、どういう対応をすべきかってことは重要だけど、前提をハッキリしておかないとそれこそ空中楼閣の単なる思想論議になっちゃうわよね。
獏迦瀬: そもそも仮にビンラディンが確実に「主犯」だったとしても、戦争という手段への移行があまりに性急ずぎです。もちろん「ゆっくり」なら戦争していいという話じゃないですけど。
珠緒: あまりにも常識的な「手続き」を無視して世界が走りだしてるって感じよね。そこらへんは日本が何をすべきかって問題とも絡んでくるわけで…。そこでこそ、それこそ「原理的に」、民主主義の「精神」に基づいた思考が必要になってくるんじゃないかしら。だから前にも「民主主義が問われてるんだって言ったけど。
獏迦瀬: と、いうことですね。ここらへんはあらめて伊丹堂さんがなんか言いたいことがあるそうです。

■狂牛病に思ふ(01.10.15)

獏迦瀬: というわけでテロの話題はあらためて伊丹堂さんに語ってもらうとして、それ以外の話題っていうと、狂牛病ですかね。
珠緒: なんかやっつけ仕事みたいな言い方だけど(笑)、これだって大変なことよね。も〜、なんたって牛が可哀想でしょ!
獏迦瀬: またお役所の対応のずさんさみたいなのが問題になってますけど、もう聞き飽きたって感じですよね。
珠緒: まあそれは相変わらずっていうか、猪瀬さんとノブテルにやらせておけばいいとしてよ、問題は酪農家の人よ!、なんでへーきで牛に肉骨粉なんて食べさせてたわけぇ?
獏迦瀬: 肉骨粉が原因っていうのはだいぶ前から分かってたわけですよね。
珠緒: てゆうかさ〜!肉骨粉よ、肉骨粉!
牛に同類の肉(骨)を食べさせてたんだよ〜!
そんなこと許されるんか??
獏迦瀬: まあまあ落ち着いてください…。伊丹堂さんの方がまだ相手しやすかったりして…。
珠緒: なんか言った?
獏迦瀬: いえこっちの話です。たしかに同類の肉や骨を食べさせてたってこと自体、考えて見りゃ異様ですよね。
珠緒: 超異常よ!だいたい牛って草食動物でしょ。違うの?
獏迦瀬: 動物学者に聞いたわけではありませんが、どう考えても草食でしょうね…。なんか肉骨粉って聞いたときは、ニワトリに卵のカラ食べさせてるくらいの感じで聞き流してしまいましたが…。
珠緒: バカじゃない?、あっどうりで獏迦瀬だったわね、なんちて〜。
獏迦瀬: すいません…。ちと情報社会の中で鈍感になりすぎてたようです。
珠緒: 分かってくれればいいのよ。私がTVを見た限りでは、このことを指摘してたのは写真家の浅井慎平さんだけよ。彼はまともね。「天罰」なんてことは言いたくないけど、やっぱこれはマズイんじゃないかって言ってたわ(その後タレコミによるとピーコさんもそういう発言をしてたそうです)。
獏迦瀬: ひょっとして同類を食べさせたことを問題にすると、いきおい狂牛病の原因が「天罰」だってことになって「非科学的」になっちゃう…それがヘンな抑圧になって、みんなそれを口にしなくなっちゃうのかもしれませんね…。
珠緒: 肉からは感染しないって言われても肉は食べないってくらい「非科学的」なくせにね〜。どっちにしても「同類を食べさせちゃダメ」っていうタブーみたいな感覚ってすごいダイジなんじゃないの?
獏迦瀬: 思い出すのは臓器移植問題で、移植行為そものもや、脳死の人を(事実上)殺して心臓を摘出する、ということに対するタブーの感覚ですよね。これは「神様」ゃ「天」ではないけど、なんらかの「他者」によって禁じられているという感覚がありますよね。その感覚のダイジさってことですかね。
珠緒: その場合は、身体や命が「自分のものではないのではないか」って感覚ってことだったわよね(「臓器移植の語らい(2)」参照)。この場合は牛の肉とか牛の命を単なる商品(モノ)としてしか見てないから「自分の自由にしていい」ってことになるでしょうね…。
獏迦瀬: 資本の論理ですかね〜。
珠緒: そういっちゃうと資本が悪いみたいだけど、ようするに伊丹堂さんじゃないけど、個々の人達の「文化」が崩壊してんのよ。獏迦瀬クンの感覚がマヒして崩壊するのはいいとして(笑)、酪農家の人達にはそういうタブーの感覚はダイジにしてほしいと思うじゃん。牛とか「自然」と密接に接して生きてんだからさ。
獏迦瀬: ですよね…。

●ひるますの単行本『オムレット〜心のカガクを探検する』
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