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第三夜
俺が中学校の時だったど思う。
父親の知り合いのTさんに呼ばれで、墓参り一緒に行ってけろって言われだのよ。
夕方になって薄ぐらぐなってるころで、自転車でむがったわげ。
Tさんは一人暮らしで、息子さんに死なれでしまって、あの頃はどうやら俺だち兄弟の中がら一人養子を取りだいっていうつもりだったらしい。
古〜いうぢでさ、天井の梁なんかも見えででさ。
タクシー呼ぶがら待ってで、って言われで赤飯なんか出されだの。
暗いうぢで、二部屋しかないうちの一部屋にはでかい仏壇があってさ。
その前に盆提灯が煌々と照ってでさ。
何とも不気味な感じなわげよ。
なかなかタクシーもこなぐって、「来ねな〜。」なんて話してるどぎ、俺の後ろに短い縁側って感じのがあったんだけど、そごを誰がが、歩いてるわげ。
ぎっし、ぎっし、ぎっし・・・、って。
行き止まりまで行ぐど、ま〜だ戻ってくるわげよ。
俺、おっかねぐなってさ、だけんども、確かめないどいられなぐなって、思い切って
振り向いだの。
そしたけば、誰もいねじゃ。
『わ〜、おっかね〜』と思ってTさんの方むいだっけTさん、黙って変な顔してでさ。
やっぱりTさんもきいでだんだね。
三往復ぐらいしたべが、聞けなぐなった頃、やっとタクシー来てさ。
墓参りの最中も『帰りでー』って思ってだった。
Tさんには「寄ってげ」って言われだけど、断って自転車がーっとこいでうぢに帰っ
たの。
うぢの人は誰も信じでけながったけどね。
Tさんは二年前、老人ホームで亡ぐなった。
(岩手出身・Wさんの投稿です)
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